夏休みの終わりに、少年が出会った男。文字通り「雲をつかむような」生業で身を立てているらしい、ひょうひょうとした不思議な男に、少年は心をひかれます。 いつだったか、何年も前の夏の日に、どこかで、わたしもこんな不思議な男に出会ったような気がします。そして大人になってしまった今のわたしから見れば、この男の生活がうらやましいような気もするのです。 わたしも、皆さんも、こんな大人になれたらよかったのにね。