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 ミカエルはゆっくり目を開く。まず彼女の目に入ったのは心配そうに覗き込んでいるガブリエルの顔。寝ぼけていたミカエルはよく分からないままガブリエルにキスをした。その直後、ガブリエルの平手がミカエルの頬を襲った。


 ミカエルは完全に目が覚めた。さっきから目を合わせてくれないため耳が赤くなっていることしかわからないガブリエルの言うことには、ここはタクラマカン砂漠のど真ん中。深淵から弾き飛ばされた直後にミカエルとガブリエルは地表から3000㎞以上の宇宙空間まで吹き飛ばされたのだが、辛うじて意識のあったガブリエルがミカエルを引っ張ってなんとか地上まで戻ってくれたらしい。

 ただ、ラファエルとウリエルは見当たらなかった。ネットワークを通じて二人の信号を探してみたが見つけられない。

「4人が揃ってないと儀式は成立しない。だから、探さないといけないってわけか。」

「そういうこと。」

 ガブリエルはようやくミカエルと目を合わせてくれた。

「さあ、行くわよ。」

 ガブリエルが飛び立つと、ミカエルもそれを追いかけるように飛んでいく。

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