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 結局、恵吏は灯とも肉体関係を持ってしまった。

 差し込む朝日で目が覚めた恵吏は横で寝息を立てている灯の横顔を見る。その体は高校生くらいとはいえ、精神部分の年齢は6歳とかそれくらいのはずだ。天使たちが帰ってこないから暇だったというのもあるが、自分はこんなに性欲が強かったのかと思うと嫌になる。

「何やってんだ、私……。」

 恵吏は小さくため息をついた。


 肉体関係を持ってしまった二人はここにも居た。朝倉瑞姫と三嶋御繰である。

 朝から昨日の続きを始めた二人はすっかり体力を使い切ってしまい、二人でベッドの上で息を切らしている。

「ごめん。知らない女といきなりこんなこと。」

 行為を終えた瑞姫は冷静になってきたのか、申し訳なさそうにしている。

「えっと……あの…………」

 御繰も不器用な人間だった。こういう時にどうしたらいいのか分からない。直接伝えていいのか分からない。

「えっと……気持ちよかった…………で……す。」

 最後のほうは顔を真っ赤にして消え入りそうなくらいの小声になりつつも御繰はそう言った。

「ふふ、そうか。ありがとう。」

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