負傷、破損、喪失
統一暦499年11月29日午後7時35分
八咫鏡が割れた。それと同時にリナを拘束する力は消えた。リナの体から溢れた神の力は発散し、十字に広がっていたそれはゆっくり消えていった。
統一暦499年11月29日午後7時40分
恵吏とアカリがようやく駆け付ける。
「ヤバいよ人が集まってきちゃう!……?」
キラメキミライのステージの上では磔にされているような恰好のまま硬直して床に倒れているリナ、腹部から大量の血を流している紅音を抱える聡兎。恵吏は状況を飲み込めない。
アカリは恵吏の後ろから出てきて言う。
「紅音さんは出血多量と痛みによるショックで意識を失っている状況です。速やかな止血措置が必要です。リナは……。」
ステージの上で硬直したまま動かないリナ。
「思考回路が完全に破損しているようです。機体も……損害が酷いため、修復というより作り直す方が近いでしょう。」
恵吏は紅音に駆け寄る。
「早く病院……!私が紅音を連れてく。……聡兎さん?」
聡兎は抱きかかえていた紅音を恵吏に渡し、どこかに歩いて行ってしまった。
統一暦499年11月29日午後7時42分
明かりもついていない暗い通路で聡兎はしゃがみ込む。
「守れなかった……。」
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