親殺し
統一暦499年9月15日午後5時51分
「そ……んな…………。」
「私の代わりにあいつを逝かせてくれて、ありがとう。それだけ。」
生ぬるい爆風が恵吏の頬を撫でる。
「さあ、この爆発で職員たちはみんな異常に気づいただろうよ。早くしないと。」
琉吏は恵吏を負ぶって歩き始める。
「ほら、恵吏は私が運ぶから。二人は自分で歩けるでしょ?」
統一暦499年9月15日午後5時50分
「……っつ………」
ミカエルは爆発音で目覚めた。迫ってきていた炎を能力でかき消す。割れてしまって使い物にならない鎧を脱ぎ捨て、帷子と下半身だけの甲冑の姿になる。
「おい、ガブリエル、なんかヤバそうなことになってるぞ。おい!」
ガブリエルは起きない。軽い脳震盪でも起きているのか。
「畜生……。ラファエル!起きろ!」
倒れているラファエルを揺するとラファエルはなんとか目を開けてくれた。
「むにゃむにゃ……もう少し寝たいですよぅ……。」
ミカエルは軽くため息をついた。
統一暦499年9月15日午後5時52分
「…………。あれ?私……。」
「おお、起きたか。……良かった。」
ガブリエルが目を覚ました。まず目に入ったのは心配そうにのぞき込むミカエル。横を見ると水筒の水をウリエルに飲ませているラファエル。
「……どういう状況?」
「さあ……さっき爆発音が聞こえたけど。」
「爆発音?!早くそれを調べに行きましょう。」
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