Re:もう一度再会
統一暦499年8月20日午後9時22分
「……ま……さか。……
少女はそれには答えない。
「脳が……ショートしてしまいます……早く……冷たい……水を……。」
統一暦499年8月20日午後9時26分
紅音はずっと
「……できれば、すぐに……うん、わかった。」
聡兎は思考していた。
ACARI……朝倉灯が脱走した。可能なのか?……ACARIとしての能力を使えば不可能ではないか。システムを乗っ取るとか、やりようはいくらでもある。
なぜここに来たのか?……これが、分からない。何が目的なんだ?これから何が始まるんだ?
「私は、エルネスタ・アインシュタインの計画を失敗させるために動きます。」
そう言ったのは、水風呂から出てきたアカリだった。紅音から借りたピンク色の寝間着に着替えている。
「彼女もまた、私を利用して神の力を手に入れ世界の再生成をしようとしています。私の力を利用することを考えていない、かつ、『物語』の核心に近い位置の存在ということで、あなたたち二人を選んだわけです。」
「ちょっと待って、『二人』って……」
紅音が言う。
「えりりんは含んでないってこと?」
「はい。彼女も私を利用するという点では同じなので。……彼女だけを特別扱いする客観的理由があるとでも?ないですよね。」
「でも……おかしいよ!ずっとあかりんのために動いてくれてたえりりんにそんな扱いするなんて……。」
「それはあなたの主観的な感想でしかないでしょう?反論するならば、客観的な論拠を提示してください。」
紅音は何も言えなくなった。
沈黙の中、ドアをノックする音がする。紅音は玄関に行ってドアを開いた。
「灯が来たってほんと?」
走ってきたのか汗をかいて息を切らした恵吏が立っていた。
当のアカリは、感情の読み取れない目で恵吏を睨みつけていた。
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