つきかげに能舞ひいづる扇かな

【読み】

つきかげにのうまひいづるあふぎかな


【季語】

つきかげ(月影)〈秋〉


【大意】

月光のもとに能を舞いでる扇さばきよ。


【付記】

「扇」は夏の季語だが、ここではその役割を担っていない。一部のひとには、扇は季節を問わずもちいる道具であったろう。この世に扇がなかったとしたら、落語などの伝統芸能はどのようになっていただろうか。


【例句】

富士の風や扇にのせて江戸土産 芭蕉

扇にて酒くむかげやちる桜 同

文台ぶんだいに扇ひらくや花の下 惟然いぜん

初夢や額にあつる扇子より 其角きかく

さしわたす扇子の影や白牡丹 素丸そまる

扇にて尺を取たるぼたん哉 一茶

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