そのままに歌留多にしたきいろはかな

【読み】

そのままにカルタにしたきいろはかな


【季語】

いろは(色葉)〈秋〉


【語釈】

いろは――紅葉した木の葉。

[精選版 日本国語大辞典]


【大意】

そのままカルタの札にしてしまいたいモミジである。


【付記】

菅原道真(845-903)のうたの本歌取りのつもりである。色葉(伊呂波)の縁でカルタと言った。


その昔は、七夕のゆうべにカジの葉に和歌(=短歌)をしたためて織姫に手向ける風習があったと言う。それに倣って、色葉ことモミジにうたなどを記してカルタを一揃えつくることも不可能ではあるまいと考えた。保存性に難がありそうだが金はかかるまい。


「歌留多(骨牌)」は新年の季語。


【例歌】

このたびはぬさもとりあへず手向山たむけやまもみぢの錦神のまにまに 菅原道真


【例句】

おく露はゑひもせずしていろは哉 重頼しげより

ふみならぬいろはもかきて火中哉 芭蕉

春日野にちりつもりてや色葉塚 言水ごんすい

たちよりてはの字で休めいろは茶屋ぢやや

いろはでは元日からもなといふ


梶の葉を朗詠集のしほりかな 蕪村

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