この春もつばめの宿となりにけり
【読み】
このはるもつばめのやどとなりにけり
【季語】
春・つばめ(燕)〈春〉
【大意】
この春も(わが家は)ツバメの宿となったのであった。
【付記】
ツバメが巣をかけるとその家には幸運がもたらされるという。人生の春は一度きりかもしれないが、この世界には年ごとに春がやってきて、ツバメも子育てのためにもどって来るようである(わたしは近年あまりツバメを見ない)。
どこがツバメの宿になったかはこの句において名言されていない。今春もツバメが巣をつくる時期になったとも読めようが、詠み手の家にツバメが巣をかけたとするのがもっともすっきりした解釈ではなかろうか(もとより俳句は虚構である)。
ときに、「春」を「年」にしてもこの句は成立するだろうか。「今年」は新年の季語となっているが、「この年も」との言い出しは年末などに相応しいように個人的に思う。
なお、「つばめの宿」は「花の宿」から類推した言葉である。
【例句】
大和路の宮もわら屋もつばめかな 蕪村
草の戸も住替る代ぞひなの家 芭蕉
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