横たはるほとけもみたし花の雲

【読み】

よこたはるほとけもみたしはなのくも


【季語】

花の雲〈春〉


【大意】

横たわっている仏(=涅槃仏)も見てみたい、満開のサクラの雲のしたである。


【付記】

「涅槃仏」は、釈迦(生没年不詳)入滅のすがたを表した彫像や絵のよし。日本にはそれらが少ないとみえて、それはわたしが日本の仏教に持つ不満のひとつでもある。多数派の仏教徒が少数派の異教徒を弾圧する国の人間であれば、さように日本の仏教に物足りなさを覚えることもなかったのかもしれないが。


【例句】

観音のいらか見やりつ花の雲 芭蕉

花の雲鐘は上野か浅草か 同


猶見たし花に明行あけゆく神の顔 芭蕉


荒海や佐渡によこたふ天河 芭蕉

ほととぎす声や横たふ水の上 同


雲の峰にひぢする酒呑童子しゆてんどうじかな 蕪村

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