みじか夜のたけなはうたふ仮面かな

【読み】

みじかよのたけなはうたふかめんかな


【季語】

みじか夜(短夜)〈夏〉


【語釈】

たけなは(酣/闌)――ある行為・催事・季節などがもっともさかんに行なわれている時。また、それらしくなっている状態。やや盛りを過ぎて、衰えかけているさまにもいう。最中(さいちゅう)。もなか。まっさかり。

[精選版 日本国語大辞典]


【大意】

夏のみじかい夜のたけなわを謳歌する仮面である。


【付記】

中世のヴェネツィアあたりをイメージして詠んだものである。昨今流行(?)の異世界転生/転移ものの舞台は中世の欧州風のものが多いイメージがあるが、南欧風のものは少ないのではなかろうか。


社交の場で仮面をかぶる文化などはやや危険なにおいがする。しかし、マスクをつける習慣が大いに普及したこの国の社会の人にとってもあながち他人事とは言い切れまい。


日本にくらべると四季の豊かさに劣るイメージのある欧州だが、緯度がたかいぶん日脚の長短はこの国以上に顕著であろう。

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