ひなげしに帽子なほすや女ぶり

【読み】

ひなげしにぼうしなほすやをんなぶり


【季語】

ひなげし(雛芥子/雛罌粟)〈夏〉


【語釈】

ひなげし――ケシ科の越年草。高さ30~90センチ。全体に毛があり、葉は羽状に深く裂けていて白粉を帯びた緑黄色。5、6月ごろ、大形の紅・桃・白色などの4弁花が咲く。八重咲きの品種もある。ヨーロッパ中部の原産。観賞用。虞美人草(ぐびじんそう)。美人草。ポピー。

[デジタル大辞泉]


女ぶり(女振り)――①女としてのなりふり、容姿。おんなっぷり。②女らしい調子。女性調。

[精選版 日本国語大辞典]


【大意】

ヒナゲシに相対して帽子をただす女っぷりよ。


【付記】

ヒナゲシには「虞美人草」「美人草」なる異名がある。それがこのような句をよむ契機になったものとみえる。


余談だが、わたしは先日までナガミヒナゲシをヒナゲシと思い込んでいた。そして、そのために危うく恥の上塗りをするところであった。思い込みとは恐ろしいものである。


【例句】

菊の香や奈良は幾世の男ぶり 芭蕉

三椀の雑煮かゆるや長者ぶり 蕪村

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