致仕すべきこころも知らで春くれぬ

【読み】

ちしすべきこころもしらではるくれぬ


【季語】

春暮る〈春〉


【語釈】

致仕(致事)――(年を取るなどで)官職を退くこと。転じて退職すること。 ②70歳の異称。

[ウィクショナリー日本語版]


【大意】

きっといまの勤めを辞めてやろうと思うこのこころも知らずに、この春は暮れてしまったことである。


【付記】

「こんな仕事やってられるか」などと啖呵を切って職場を後にする、春のゆめものがたりである。


推敲前あるいは別案は、上五「遊ぶべき」。稼業などのために遊ぶこともままならなかったのである。


【例句】

古雛ふるびなの箱にはぐれて春暮れぬ 也有やゆう


あこくその心も知らず梅の花 芭蕉

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