茶をのみに来ようぐひすの老いのころ

【読み】

ちやをのみにこようぐひすのおいのころ


【季語】

老鴬〈夏〉


【大意】

茶を飲みに来られよ。ウグイスの(ように)老いを迎えたころに。


【付記】

夏のウグイスを「老鴬(おいうぐひす/らうおう」という。よびかけた相手をそれにたとえて、老人らしく茶を飲みに拙宅へ来てくれるよう催促した。「ウメにウグイス」と言うが、実際のウグイスは竹やぶなどを好むようで、その家も森閑とした竹やぶのあたりにあるのかもしれない。


茶どころ宇治の新茶の季節は5月ころという。新茶でもてなしたい人がいるのは良いことなのだろう。


なお、冬のウグイスには「藪鴬」などの名称があるようである。


【例句】

姥竹は老の鴬のねぐらかな 徳元

鴬や竹の子藪に老いを鳴く 芭蕉


うぐひすや家内揃ふて飯時分 蕪村


鴬を冬からきくや耳果報 作者不詳

冬鴬むかし王維が垣根かな 蕪村


蓑虫の音を聞きに来よ草のいほ 芭蕉

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る