アスフアルトのおもてぬれたるしぐれかな

【季語】

しぐれ(時雨)〈冬〉


【大意】

アスファルトの表面がぬれている、しぐれの降る日である。


【付記】

俳句を十七文字ともいうが、標題の句は文字通り十九文字になってしまった。漢語や外来語は音数と日本語での文字数が一致しないことが多いので詮無いことであろう。なにせ和語ですら、表記が省略されて音数と文字数が一致しない場合があるくらいである。


句の眼目は(少なくとも作者のわたしからすれば)「おもて」である。おもて(=表面)だけがぬれて下にまで浸透しないことに、降るやいなや止んでしまう時雨のこころを尽くした。


【例句】

春雨や小磯の小貝ぬるるほど 蕪村

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