水仙やらんにおくれて香のたかさ

【読み】

すいせんやらんにおくれてかのたかさ


【季語】

水仙〈冬〉


【大意】

開花時期(あるいはヒトに愛されるようになった時期)の点では遅れをとりながら、ランに優るとも劣らないスイセンの香のたかさよ。


【付記】

植物などの放つ匂いには邪気をはらう力があると信じられていたらしく、たとえば節句のころにモモやアヤメ(=ショウブ)、キクが賞翫されるのはその名残りのようである。ウメやランやスイセンも香のたかいことで知られるが、悲しいことにわたしの鼻は用をなしていない。サクラとキンモクセイの匂いくらいしか分からない。


おなじヒガンバナ科のヒガンバナを取り上げた与謝蕪村(1716-1784)の影響をいくらか受けているかと思う。


【例句】

まんじゆさげ蘭に類ひて狐啼く 蕪村


鴬や名は雲雀ひばりより上になく 也有やゆう

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