きのせゐにあらばあやしの桜かな
【読み】
きのせゐにあらばあやしのさくらかな
【季語】
桜〈春〉
【大意】
「きのせい」と言うならば、さしずめサクラの木のあやし(=あやかし、怪異)のしわざである。
【付記】
「気の所為」を「木(樹)の所為」あるいは「精」とした言語遊戯の句である(後者なら字違いの掛詞になる)。あやかし・怪異の意味で「あやし」と言うように思っていたが、国語辞典では確認できなかった。しかし意味はじゅうぶんに通じるかと考える。
タヌキやキツネがひとを化かすのは言うに及ばず、ネコなどをふくめた動物がひとを化かす話しには事欠かない。その点植物はややおとなしい印象をうける。そうは言っても、サクラの下には死体が埋まっているなり、どこそこのサクラのしたで愛を告白するとその恋愛はきっと成就するなりの言い伝えは、やはり存在するようである。
ときに、わたしが「あやかし」なる言葉をしきりに耳にするのようになったのはここ十年かそこらのことだったように思う。そのころに和風の怪異譚に対して世の関心が集まったのだろうか。
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