炎天をぬらぬら歩く詩人かな

【読み】

 えんてんをぬらぬらありくしじんかな


【季語】

 炎天〈夏〉


【語釈】

 ありく――①あちこち歩きまわる。出歩く。②車や舟などであちこちをまわる。③動詞の連用形に付いて用いる。……してまわる。……して過ごす。[参考:デジタル大辞泉]


【大意】

 炎天下を詩人がぬらぬらと歩くのであった。


【附記】

 わたしの自画像である。苦手とする擬態語/擬音語(=オノマトペ)に挑んだ。が現代人の専売特許でないことは論を待たない。

 「ありく」は「あるく」とほぼ同じであろう。必ずしも前者が後者の古形とは言いきれないようである。


【例句】

 炎天や小路を廻る薬売り 井月せいげつ

 炎天や切れても動く蜥蜴とかげの尾 芥川龍之介


 梅が香にのつと日の出る山路かな 芭蕉

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