暑き日を負うておもむく職場かな

【読み】

 あつきひをおうておもむくしよくばかな


【季語】

 暑し〈夏〉


【大意】

 暑い日ざしを背中に受けて職場におもむくのであった。


【附記】

 過酷な一日のはじまる予感である。


【例句】

 赤土の崩れて暑し山の原 竹翁ちくおう

 菅笠の影ぼし暑き広野かな 信徳しんとく

 日の暑さたらひの底の浮塵子うんかかな 凡兆ぼんちょう

 暑き日を海にいれたり最上川 芭蕉

 魂棚たまだなに暑きむぐらのはしらかな 曽良そら

 撫て見る石の暑さや星の影 除風じょふう

 青雲あをぐもに底のしれざる暑さかな 浪化ろうか

 暑き夜や井戸に水なき夏の月 荻子てきし

 井戸ほりの浮世へ出たる暑かな 也有やゆう

 飛石にとかぎの光る暑さかな 太祗たいぎ

 色濃くも藍の干上るあつさかな 同

 百姓の生きてはたらく暑さかな 蕪村

 じつとして白い飯くふ暑かな 一茶

 満月に暑さのさめぬ畳哉 同

 杖ついて坂見上げたる暑哉 吟江ぎんこう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る