定めなき世をつゆいりのはやさかな

【読み】

 さだめなきよをつゆいりのはやさかな


【季語】

 つゆいり(梅雨入り/入梅)〈夏〉


【大意】

 定めのない世のこととて、異常にはやい梅雨入りをむかえるのであった。


【附記】

 執筆時現在(5月16日)すでに梅雨入りが発表されたと聞く。


 「つゆ」やその関連語は表記に悩むものの一つである。


【例歌】

 梅雨ばれのあかときもやの立ちうごく峠の駅に顔あらふかも 古泉千樫

 梅雨ばれの光のなかを最上川濁りうづまき海にいづるかも 同


 かみな月降りみ降らずみ定めなき時雨しぐれぞ冬のはじめなりける 作者不詳


【例句】

 竹の子の合羽かつぱ着て出る入梅ついりかな 支考しこう


 大晦日おほみそか定めなき世のさだめ哉 西鶴

 名月や北国日和ほくごくびより定めなき 芭蕉

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