しづかさや枯山水をやなぎ散る

【読み】

 しづかさやかれさんすいをやなぎちる


【季語】

 やなぎ散る(柳散る)〈秋〉


【大意】

 枯山水に柳が散るしずかな日である。


【附記】

 想像によって詠んだ。静かさと来て枯山水と来るのは予定調和的でよろしくないかもしれない。


【例句】

 庭掃て出でばや寺に散る柳 芭蕉

 船よせて見れば柳のちる日かな 太祇たいぎ

 柳ちり清水かれ石処々 蕪村

 柳散るや少しタベの日のよわり 暁台きょうたい

 雲低き夕ベ夕べや柳ちる 一茶

 柳散る紺屋こうやの門の小川かな 夏目漱石

 柳散り菜屑流るる小川かな 正岡子規

 乞食こつじきの門去りあへず柳散る 尾崎紅葉

 水瓶みづがめに柳散込むくりやかな 泉鏡花

 柳散る土橋どばしのもとの地蔵かな 寺田寅彦

 堀端ほりばたや柳散り込む幌車 同

 柳散る公園の隅のベンチ哉 同

 門札は女の名なり散る柳 同

 姉病むと柳散るころ便あり 同

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る