言葉の足跡





僕には言葉が解らない

心のこもった詩の温みも

ただの文字の羅列のようで

なにも感じたりも出来ないで


僕には言葉が解らない

確かに自身の心から溢れた言葉でも

漂ううちに影薄く

雪が気付けば溶けているように

滲んでいた心も失って

残るはただの文字の散らばり



途方に暮れて立ち止まり

夕日の色を瞳に染めた

かつての面影 瞼の裏に


ひとひら ふわふわ

手の内に

雪のかけら溶けりて

渇いた心に沁み込んだ


吐き出した息は白い煙

ふわふわ ゆらゆら

漂って

浮かび上がった言葉の幻影

そっと心に仕舞い込む


足跡のない真っ白な道に

きっといつかは言葉になると

心許なさげな足跡刻む









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る