真夜中に吐き出したい深雪〜真白雪〜




何かのために必死に抗って

人らしくいようと努めてきた

けれどそれは取り繕っていただけ

なのかなぁ






澄み切った冬の空に浮かぶ満月のような月


肌をぴりりと冷やすくらい澄んだ柔い風


布団に丸まり穏やかそうに眠っている猫


甘えたい声で鳴いてこちらへ寄ってくる猫


静かで穏やかで、澄んでいて、あたたかい


そんなこの小さな世界なら

身体の中に巣食う狂気のような赦せなさも

浄化されて


冬空のもとゆっくり吐き出した白い息になって

そのまま冬空の上へともくもく昇っていって

そこでまた浄化されて


真っ白な美しい雪となって

ふわふわ舞い散って


どこまでも美しくて穢れているこの広い世界が

真っ白に染まってしまえばいいのになぁ
















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る