第29話 「7つの提案」②
大川教授と堂本氏が
佐竹和美に提案してきた7つの提案は
とても魅力的な内容であった
まず1つ目は
佐竹和美の学力向上に関するもの
大川教授の教え子は優秀な学生が多く
佐竹が日本新大学の推薦を受けられる水準まで
Webで家庭教師をしてくれるというもの
これは佐竹にとっても
願ってもない提案であり
佐竹の家庭の経済状況は厳しく
塾に通う事を諦めており
大学進学に向けて、塾に通う他の学生達を
羨ましく感じていたからである。
今回の家庭教師で
どこまで学力が上がるか
分からないが、頑張ってみよう!と
決心するのであった。
2つ目は、
日本新大学の
大川教授の講義を聞くというもの
大川教授の講義は
海外の大学からも注目されており
基本は、教え子として選ばれた学生しか
受講できない事になっていたが
今回佐竹に、日本新大学の魅力を知ってもらう為に
特別に過去の講義の録画動画を
提供してくれる事になっていた
3つ目は
佐竹が最も関心があった内容であり
福祉現場に職業経験ができる!というもの
これまで学校から地域の福祉施設に
職業体験をした事があるが
今回大川教授から提案のあった
福祉施設は、佐竹の憧れでもある
1895年イギリス宣教師夫人によって設立された
東京・港区の記念館を訪れる事であった
その経営理念は素晴らしく
佐竹の理想とする施設であり
是非一度訪れてみたい!と
願っていたのである
4つ目は
本当はお断りしたい内容であった・・
それは佐竹の女子力を高める為のものであり
大変高額な費用がかかる事であったが
自分を磨くことは大事だと諭され
市内の歯科医院に通う事になっている
歯科矯正は数百万円かかるようだが
大川教授の教え子である歯科医師が
通常の2割程度で治療してくれる事になっていた
2割の治療費を払う事も
佐竹には厳しかったのだが
期間限定のアルバイトをする事が
5つ目の条件であった
5つ目は
堂本氏に関する事であり
佐竹をとても驚かせた
実は、堂本氏が日本を代表する大富豪である事は
佐竹にはまだ伏せられており
路上生活からは、脱する事ができたが
今なお住まいがなく、生活の基盤が整っていない!と
説明を受けていた
堂本氏の住まい探しから
環境整備をする事
自立した生活が送れるように
力を貸す事がアルバイトの条件となっており
夏のキリスト教バイブルキャンプに
堂本氏と参加する事も含まれていた
6つ目は
日本新大学進学に関わる為の
奨学金制度への申し込みであった
佐竹自身、まだ受験すると決めた訳ではないが
事前審査だけでも受けるように
薦められていた
7つ目は
堂本氏からの提案であり
これからは友人となり
週1回メールでお互いの近況報告をする事
以上7つの提案は
どの内容も佐竹を驚かせたが
佐竹自身個人的には、堂本氏と
日本を代表する著名な大学教授と知り合えた事に
運命を感じていた!
堂本氏との出会いは路上生活という
劇的な出会い方ではあったが
佐竹自身、堂本氏には品位があり
大川教授とも旧知の仲という事で
ただモノではないと薄々感じてはいたが
高校生の自分にも他者の力になれる事があり!
自分を必要としてくれているのなら
頑張ってみよう!と
決意するのであった
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