第25話 突然の来校!

修学旅行を終えて

1週間経過した頃


佐竹が通う高校に

ある老紳士が突然尋ねてきた


大川教授であった!


校長室に通された大川教授は

驚くべき提案を

学校側に提示した


それは『日本新大学入学の推薦枠』である!


日本新大学は

世界大学ランキングで

常にトップ10に入る有名大学であり

通常は推薦入学を受け付けていない!


しかし今回特例として

大川名誉教授の

教え子になる事が

入学の条件として提示されていた!


◆◇


「佐竹さん!

佐竹和美さん

至急校長室まで来てください!!」


校内放送が流れると

佐竹の教室が騒ぎ出した


「佐竹さん何があったの?

校長室に呼ばれるなんて!

何か問題を起こしたのかよ!!」


同級生達が問い詰めてくるが

佐竹は全く心当たりがなく

何故自分が呼ばれるのか?

内心ドキドキしていた


「和美!

すぐに行った方が良いわ!」


「そうね!」


佐竹はドキドキしながら

校長室に入ると

大川教授が座っており

悪戯っぽく微笑していた


「大川教授!

どうしてここに?

何が起こっているのですか?」


「佐竹さん

まずは落ち着いて

ソファーに座りなさい!


日本新大学の大川名誉教授が

君に素晴らしい話を

持ってきてくれたのだよ!」


「どういう事ですか?」

佐竹は緊張した表情をしながら

大川教授と向かい合った


「佐竹さん

まず礼を言わせて欲しい!

先日は、私の友人の堂本氏を

助けてくれ・・本当に感謝している!

ありがとう!」


「いえ・・そんな

私は大した事は・・」


「佐竹さん早速だが

君は自分の進路を

どのように考えているのかね?

担任の先生に聞いたのだが

君は福祉の専門学校に進む事を

希望しているようだね?」


「はい!そうです!

介護福祉士の資格をとって

地元の福祉施設に就職できれば!と思っています。」



「大学進学を

考えたことはないのかね?」


「それは・・・

ない事はないですが・・」


佐竹は自分の家庭環境と

経済的に厳しい状況

大学進学の希望はない事を伝えた


「佐竹さん!

もし君が大学進学を望むなら

日本新大学の奨学金制度が利用できるように

私が力を貸してあげられるのだが・・

どうだろうか?」


「そんな事が

可能なのですか?」


「佐竹さん!

こんなチャンスは滅多にないぞ!

日本中の高校生が憧れ

最も狭き門である日本新大学に入れるなど

夢のまた夢といえる事なのだよ!


しかも大川教授の教え子など

さらに狭き門であるのだ!」



「校長先生!

そこまで大げさに表現しないで!

佐竹さんが困った表情をしているではないか!


彼女が日本新大学の

推薦枠が受けられたのは

彼女の人徳によるものであり

神が与えた賜物であると!

言えるのだから


佐竹さん!

突然の申し出に困惑しているだろうが

どうかこの申し出を受け入れて欲しい!

勿論君にも他の学生と同じく

試験と面接は受けて貰う!


ある一定の水準の学力が必要だからな!

しかし入学するまでの間の受験勉強や

奨学金を受けられる為の

事務的なフォローは私の秘書達が

全面的にバックアツプするから

安心したまえ!!


「大川教授

どうして私の為にそこまで・・


あなたが私の高校に

わざわざ出向いてくださった事

大変光栄に感じています!!


でも少しお時間を頂けますか?

両親とも相談をしたいので!」


「勿論だよ!

ゆっくり考えてくれ!

良い返事を期待しているよ!」


「ありがとうございます!」


「さて堅苦しい話は

これくらいにして


佐竹さん!

学校が終わった放課後

少し時間を貰えるかな?

堂本さんも来ているのだよ!

君に会いたがっていてね!」


「堂本さんが?

わざわざ来てくださったのですか!

私も会いたいです!」


「それは良かった!

校長!何時に授業が終わるのかね?」


「16時です!」


「では校門に

迎えの車を待たせておくから!」


「分かりました!

どこに行くのですか?」


「それは会ってからの

お楽しみだ!」


(堂本氏って

まさか・・日本新大学創立者で

日本経済界の重鎮の方ではないよな?

佐竹さんと知り合いの筈はないか・・)

校長が大川教順の来訪に緊張しながら・・ひとり呟いていた

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