第16話 5000億の財産
1年前、厚生労働大臣の執務室に
ある老紳士が通された
執務室には厚生労働大臣と事務次官がおり
2時間近く密談が行われていた。
老紳士の名は
堂本賢司といい
戦後の日本の経済界を支えた第一人者であり
5000億円を超える財産を保有している人物であった
「中川大臣よ!
私の余命はあと3年・・
私には財産を継がせる子も親戚もいない・・・
しかし私が80年の人生をかけて築いた財産を
有効に用いたい!と願っている!
今の日本は、医学の進歩と栄養状態の改善により
日本人の平均寿命は大きく伸び
少子化による出生率の減少も大きな問題である!
深刻化する日本の高齢化問題と少子化問題に
私は、全財産を捧げ
「未来型サービス」という新たな財団を設立したい!
どうか力を貸して欲しい!」
「中川様はこれまで
我が国の福祉基盤の土台を据える為に
多くの私財を寄付し
尽力して下さった事を感謝しております
しかし全財産を捧げられては
残りの余生を過ごされる上で・・
お困りになるのでは?
それにご病気による今後の生活が心配ですし・・
私には父が残した生家と
年金があるので大丈夫だ!
それに「未来型サービス」が軌道にのったら
私も利用させて貰うつもりだから
宜しく頼むぞ!」
「勿論です!」
「その時に 指名したいケアマネがいるのだが
私の担当者にして貰えたるとありがたい・・
まだ都内の福祉事務所に勤めているのだが
数年前、偶然知り合ってなぁ・・
とても苦労した子で
何とか支えたいと思い・・
これまで裏から手をまわして支援してきたのだが・・
とても良い子なのだ!
近々霞が関ケアプランセンターに転職する事になっているから
その子に、私の最期を委ねたい!
それが私の5000億の財産を寄付する唯一の条件だ!
良いな!!」
「ご指名の方の名前を伺えますか?」
「佐竹和美さんだ!」
(佐竹和美・・・
堂本氏の信頼を得るとはどのような子なのだ?)
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