第5話 デイ体験利用へ

「早速ですが、阿部さん!

まず優先すべきことは 奥様の病院受診です!

万が一骨折されていたら大変なことです


阿部さんの生活は

奥様あってのことですので

今からタクシーを手配させていただきますが

よろしいですか?」


「奥様!すぐに

準備をして 出かけてください!

今日は月曜日なので病院が混むと思います


病院の検査、診察が終わる頃

私が病院に寄らせていただきます。

ご主人様の 今後の方針についても

奥様の診察結果をもとに 

あらためて夕方にご自宅に

お伺いさせていただきます。

よろしいですか?」


「ありがとう!佐竹さん!」

奥さんは少し涙ぐんでおられた


「それから阿部さん

奥様が戻ってこられる昼過ぎまでのことですが

デイサービスの体験利用を

ご利用いただけないでしょうか?


昼食の提供と入浴のサービスが受けられ

バルーンカテーテルのトラブルが生じたとしても

看護師がおられるので

きちんと対応して頂けると思います。


「そうですね・・・

どこのデイサービスですか?


丸亀デイサービスです」


「何人くらい 利用者がいますか?」


「30人くらいですね」

「お年寄りは 多いですか?」


「年齢層は75歳から90歳くらいの利用者さんが

おられますが 職員さんは親切で

活気のあるデイサービスですよ!」


「そうですか・・・

しかし僕はデイサービスがどうも苦手なのです

自分の年が66歳で 若いほうです

まわりは自分の親くらいの年齢の人達ばかりで

僕は常時車いす使用しており・・・ヘルパーさんの

世話を受けないといけない・・

自分は羞恥心があり どんな目で見られているか・・

それを考えるだけで 気が重くなります」


「阿部さんのお気持ち お察しします

今回丸亀デイをお勧めした理由は

幾つかあるのですが 聞いて頂けますか?」


「聞かせてください」


「今回奥様がもしご入院になった場合

ショートステイが併設されているデイが安心かと思った事と


お風呂が個浴であり

阿部さんのペースに合わせて

ゆっくりご入浴して頂けるという点です

これまで奥様がご自宅で、入浴介助されていましたが

完治されるまでは ご対応は難しいと考えます


奥様の負担軽減の為にも

今回体験だけでも ご利用頂けないでしょうか?」


「あなた・・・佐竹さんが

ここまでおっしゃっているし

私も 受け皿があった方が安心して

病院に行けると思います!

だから今日だけでも

体験利用をお願いします!」


「・・・・・・

分かりました

では佐竹さん

手配をお願いできますか?」


「承知いたしました!

実は、事前に問い合わせをしておりまして

10時頃に迎えに 来てくれるそうです

お荷物の準備させて頂いてもよろしいですか?」


「お願います」


「お義兄さん!

私も夫も義姉さんとお義兄さんの事を

とても心配しています


今晩は私が食事をお持ちします

私たち夫婦でできることを

相談させてください!」


「ありがとう!早苗さん」



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