夏が誘う

灰の雲を掻き分けて

白い光が降ってくる

数日の雨もぱたりと止んで

電線には雫が輝くばかり


戻ってきた蝉の歌は

窓硝子を突き破るかのように


濃さを増す欅の葉は

ゆうらりと風に揺れた

手招きするかのように


さあ 窓を開けて

さあ 外へおいで


笑いながら夏が誘う


*****


せっかく誕生日なので、今日の風景をそのまま切り取ってみました。

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≪詩集≫てのひらものがたり ねこK・T @transparent_cat

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