これはきっと人を生かす物語

 生きることは苦しい。自殺していった彼らの意見を覆しえる言葉を残念ながら持っていない。僕だって苦しい。

 だと言うのに何故だかまだ生きている。死にたくないのだ。なぜか。友達?まさか。孤独避けるための人間関係なんかストレスの種でしかない。家族に迷惑をかけたくないと言う理由だけでは弱い気がする。

 死ぬのが嫌なのだ。登場人物も心の底では同じ思いな気がしてならない。傷つく心を持っているのならば死の恐怖もきっとあるだろう。死にたくはないはずだ。

 しかしそれは彼らが自殺することと矛盾しない。望まない行動を取らなければならないことは人生に多々ある。行きたくない飲み会とかそんな感じだ。

 最終話のあと彼らはどう生きていくのだろうか。読者としては彼らが語れるだけの生を謳歌することを願いたい。彼らの人生の結末が語られていないことが唯一の希望なのだから。