日本生まれ日本育ち国籍「韓国」

私が生まれる前

そもそも何故私が日本で生まれたかをまず書きたいと思う。

私は両親ともに韓国人の「在日韓国人3世」である。

日本に来て3世代目、私の祖父母が日本に渡ってきたということだ。

まず両親について、二人とも日本生まれだが運命の出会いをして韓国人同士が結婚したわけではない。

日本には在日朝鮮、韓国人が通う朝鮮学校というものがある。

形態としては私立学校に近く、学費も相応に高い。

また幼稚園から大学まであるが、国から認可を受けていないため、大学まで行っても一般的な最終学歴は中卒になる。

私の両親は両方ともその朝鮮学校出身だ。

年の差があるため先輩後輩が結婚したようなものだ、そう聞くと普通にありえる話である。

次に祖父母が何故日本に渡ってきたかについてだ。

詳細を聞いているのは母方の祖父母だけだが、自分の意志で日本に来たらしく、よく言われる旧日本軍による強制徴用などでは無かったらしい。

ただ渡ってきた理由はかなりドラマティックだ。

ざっくり言うと「スパイ疑惑をかけられ、日本に逃亡してきた」嘘のような話である。

ある日祖父の家に警察が来てこう言った、「お前には日本軍のスパイである疑惑がかけられている、明朝警察署に出頭しろ」

祖父には学生時代に日本への留学経験があり、その経験がこの嫌疑をかけられる切っ掛けだったようだ。

もちろん祖父は素直に出頭…するわけもなくその日のうちに日本への逃亡を企てた。

本当にスパイだった訳ではなく、スパイ疑惑をかけられ、出頭した人間は拷問を受け殺される運命にあったからである。

そんなわけないと思うかもしれないが、当時はそのような捜査が横行していたらしい。

既に婚約していた祖母に必ず日本に呼び寄せると約束し、船に密航して日本へと渡ってきたらしい。

後に日本で生活する基盤を築き、祖母を呼び寄せ結婚。

そしてその間に生まれたのが母である。

そんな両親、祖父母から生まれた私は1994年生まれ、現在は会社員をしている男性だ。

ようやく私のバックボーンの説明が終わったので、次の話からは順に当初の目的、内容を書いていこうと思う。