アデノウイルス

月曜日。夕方。

「お昼寝から起きたら、お熱が出ました」

と保育園から職場に電話。


一応明日以降休むかもれしれない旨を伝え、

仕事の引き継ぎを紙に書いて準備しておき、退社。


クリニックに行くも、風邪でしょう。と


翌日も熱が引かず、機嫌も良く、よくご飯も食べるので、安心してたら。


夜に40℃まで熱が上がる。


水曜日、再びクリニックへ。


採血などの検査の結果、アデノウイルスだった。


「お母さん、アデノウイルスは5.6日高熱が出る病院なんだけど、熱が引いたら2日は自宅待機しないといけないんですよ。だから、保育園は今週は無理かな。」


先生にそう言われ、帰りの車の中で考えを巡らせる。


仕事を休むべきか否か。


休まないと決めれば、それなりに手はある。


無理矢理母に預けたり、義母を招集したり。


病児保育に申し込んだり、

仕事のある午前中だけ出勤したり、


でも、幸い、今はテスト期間で、

仕事といえばテスト監督と採点くらい。


授業があるわけではない。


しかも監督も2人体制なので、どうにかなりそう...?


カンニングのチェックのために、息子を放って仕事に行くのか?と考える。


そしたらふと思いつく。


「息子の病状は、私しかわからない。

 入院するほどの危機迫る状態でも、

 高熱だけど機嫌も良く、よく寝るので楽な看病でも」


きっと、ダラダラ育休中のように楽してる1日だから、悩んでる。


この罪悪感は、サボってる気がしてるから。


そして、決める。



...そうだね、サボろうか!



もっと赤ちゃん時代に比べれば、

ひとり遊びができるようになったし、

お昼寝も眠くなったら、勝手に寝るし

抱っこしてなくても布団で寝るようになったし

めちゃくちゃ楽。


横で一緒に寝たり、本を読んだりしてダラダラしてる。


最高。


でも職場の人はこんなこと、誰も知らない。



授業だったら責任感から行きたいところだけど、

今週はいいや。


採点も来週でなんとかなる。


来週の授業準備も、月曜日の朝でなんとかする。


大丈夫さ。


たまには休業しよう。


リラックスしよう。



そうして会社に、連絡を入れるのであった。



実際、この間に読んだ本で授業のヒントをもらったし、毎朝会社と保育園に連絡入れるストレスもなくなったし、素晴らしい夏休みだ。



息子が機嫌がいいからこそ。



ありがとう。

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本当に『育児って大変』なのだろうか。 緒方溪都 @yani82

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