第4話冒険者?
エモのおかげで少しだけ希望の光が見えた。
一息つきたいところだが、そうはいかない。なにせ一文無しなのだ。
「エモ、登録したばかりで申し訳ないんだけどすぐに冒険にでられるか?」
「大丈夫ですけど、装備とか整えなくて大丈夫ですか?」
......しまった、今の俺の格好は仕事終わりのジャージのような格好のままだ。
当然鋼を使っているわけもなく防御力は【0】だ。だが装備を整える金なんかない。
「この服は、特殊な加工がしてあるんだ!今回はこのまま行こう」
俺は、苦笑いをしながら誤魔化した。
「へえ〜珍しい装備ですね♪見たことがないと思いました!では早速受ける
ギルドの奥には様々な依頼書がボードにびっしりと貼られていた。
== オーガの討伐 <危険★> ==
== ミートウルフの討伐 <危険★★> ==
== アンデッドの駆除 <危険★★★> ==
(流石に危険なものしかないのか......武器も今はないし厳しいな)
「はあ、やっぱりこういう依頼しかないのか?」
「いえいえ、冒険者になりたての人だってたくさんいるんです、もう少し簡単な依頼もありますよ!これなんかどうですか??」
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== ホワイトバードの討伐 ==
条件:ホワイトバードの討伐及び、捕獲。
捕獲個体は冒険者に還元するものとする。
本文:最近、少し大きな鳥に畑を荒らされて困っているんだ。もう歳も歳だから自分で追い払えなくてなあ、冒険者さんにお願いできないかねえ。
報酬3000z
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「鳥と戦うだけで、3000zも貰えるのか!?それならなんとかなりそうだし、その依頼にしよう!」
「ただの鳥でありませんが、そこまで危険な生物ではないので大丈夫だと思います!早速出発しましょう!」
俺たちは、依頼の受注を終えすぐに目的地に出発することにした。
初めての異世界での仕事に緊張のような高揚するような変な感覚を覚える、装備が防御力のない普段着、攻撃手段なしなのが心許ない。
(まあ、いくら異世界でも鳥と戦うだけなら大丈夫だろう)
——この時はまだ、異世界の洗礼を受けることになるとは思っても居なかった。
異世界料理人〜せっかくなので異世界に転生しても料理を頑張ってみる話〜 月下 翠 @near_ss
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