第3話冒険者
————ようやく冒険者ギルドにつき中に入った。
中は冒険者たちで賑わっていた、いかにも異世界らしい景色だった。
大きな剣を背負っている屈強な男、なぜか露出度の高い装備の美麗な女冒険者、魔法使いのローブを着ている幼げな少女など、異世界要素てんこ盛りだ。
(俺も、実は魔法が使えたりめちゃくちゃ力強かったりするのかな。)
今まではありえなかったことでもこんな状況ならあり得るかもと、内心少しワクワクしてしまう。
「あの、冒険者登録したいんですけど」
「はい、冒険者登録ですね♪お連れ様はどちらですか??」
「連れ?一人で登録するつもりなんですけど・・・」
「すみません〜冒険者には危険がつきものですので二人以上じゃないと登録ができないんですよ〜」
——初耳だ、初めての世界で【パーティ】だと?無理だろ!
希望が消えてしまった、異世界で唯一の生活を食いつなげる光がなんともあっけなく消え去ってしまった。
つぎの、手段がすぐ思いつくはずもなく、ギルドの端の椅子に脱力していた。
(今日寝るところもないな・・・登録は簡単に出来るものだと思ってた・・・)
わかりやすく絶望していると、見かねたのか一人の女性が声をかけてきた。
「何か、お困りですか?」
声を掛けてきたのは、鮮やかな金髪に紫紺の瞳が輝く少女だった。
あまり自分と年は変わらないのだろうか、おっとりとした優しい印象だ。
「ああ、冒険者登録ができなくて困っているんだ・・・」
「そうだったんですね。私でよければお力になりましょうか?」
「いいのか!?初対面なのに」
「困っている人は見過ごせませんので!多少なら魔法も使えるのでお力になれるかと」
「助かるよ!俺はソウサク、よろしくな!」
「私は、エモ、よろしくお願いします♪」
再度、受付に行って登録をする。
「ソウサクさんとエモさんのお二方のご登録ですね♪たしかに完了いたしました。登録の証としてギルドカードを贈呈します♪」
「ギルドカード?なんだそれ」
「ギルドカードというのは現在の冒険者のランクであったり、どれだけ依頼をこなしたかが分かるハイテクアイテムなのです、必ず持ち歩くようにしてくださいね!」
「よくわからないけど、ありがとうございます」
ハプニングはありつつもなんとか冒険者登録をすることができた。
————ここから異世界生活の第一歩が始まる。
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