エピローグ 重清の旅の終着点
じいちゃんが言うには、忍力の元になった力は、誰もが持っている力らしい。
それを2中に入学した頃にノリさんから聞いたおれは、だったら魔法使いとかもいるかも、とか思っていた。
その時には、それはただのおれの妄想だった。
だけど今おれは、その妄想は現実なんじゃないかと思ってる。
もちろん、魔法使いがいるかは分かんないよ?
でも、忍力の元になった力を、忍者以外の力に使っている人がいたっておかしくはないでしょ?
もしかしたらそれが魔法使いかもしれないし、陰陽師かもしれない。
おれとしては、やっぱり魔法使いに会ってみたいけどね。
とにかく、別の力の使い方をしている人達がいたとしたら、忍者みたいに集まっている可能性だって考えられると思うんだ。
そして、人が集まったら必ず、虐げられる人達がいるとも思う。
悲しいことだけどね。
おれだってそうじゃないって思いたいけど、多分こういうことは、允行さんの言ったことが正しいと思う。
人ってどうしても、他人と自分を比べちゃうからね。
その結果、力の無い人を虐げることが起きてもおかしくはない。
そんな人達ばかりではないと思うけど。
でも、同じように力を持っていながら虐げられる人がいるなら、おれはそれを助けたいと思うんだ。
允行さんみたいな人は、もう現れてほしくないんだ。
だからおれは、旅に出た。
そんな力を持つ人達を探す旅に。
といっても、春休みの間だけだし、夜は家に帰ってるんだけどね。
春休みの宿題とかもあるし、そのへんはちゃんとしないと母さん怖いんだよ。
・・・・・・はぁ。また脱線しちゃったね。
とにかくおれは今、旅の目的地になったとある場所に向かっている。
あれはソウの伯母さんと甲賀本家のイケメンなおっちゃんの結婚式の前日のことだった。
旅の途中でプレッソ達と公園のベンチに座って昼ごはんのおにぎりを食べていたおれの元に、突然手紙が届いた。
公園でおにぎり食べているおれにだよ?
しかもわざわざ紙飛行機になって、おれの後頭部に突き刺さったからね?
紙飛行機を掴んだおれが周りを見渡しても、それを飛ばしたであろう人の姿は見つからなかった。
でも、それを不思議がる前におれは気付いたんだ。
その紙飛行機から、何か妙な力が出ていることに。
あれは、おれが忍者になる前にノリさんから忍力を向けられた時の感覚に似ていた。
その紙飛行機が手紙になっていることに気が付いたチーノに言われて、おれはそれを広げてみた。
そこには、どこかの住所が書かれていた。
そんなに遠くはなかった。
でもおれはそれよりも、そこに添えられた『鈴木』って名字が引っかかった。
おれやじいちゃんの名字も鈴木。
もちろん、よくある名字なんだけど、そこに書かれた名前からも、それが女性のものだと思ったおれは、1人の人物が頭に浮かんだ。
じいちゃんが、死んだあとに会ったじいちゃんが2度目の死を迎える直前に言いかけていた人。
あのときじいちゃんは、何て言いたかったんだろう。
それはもう、確かめようがない。
あの続きは、おれが確かめなくっちゃね。
まぁ、手紙の主がじいちゃんの言っていた人かはわかんないんだけどね。
そしておれは、その場所に辿り着いた。
重清「ここ、だよね?」
プレ「・・・・みたいだな」
チー「感じるわ。忍力とは違う、何か別の力を」
重清「ってことは、ビンゴ?」
ロイ「ほっほっほ。見つかるはずもないと思っておったが、まさか本当に忍者以外にもあの力を使う者がおるとはのぉ」
プレ「でもよぉ重清。あの手紙の主が、味方とも限らないんだぜ?
大丈夫なのかよ?」
重清「ん〜、そのへんは、なんとなく大丈夫なんじゃないかなぁと思ってる」
プレ「大丈夫かよ、そんな適当なことで」
チー「重清の身に危険が及んだら、それを守るのが私達よ」
ロイ「ま、そういうことじゃな」
重清「へっへっへ〜。頼むぜ、相棒」
プレ「はいはい。せいぜい頑張るよ」
おれたちはそんなことを言い合いながら、目の前の大きな門を通っていった。
------------
あとがき
これにて、『おれは忍者の子孫』はおしまいです。
お付き合いいただき、本当にありがとうございました。
読んでくださる方が少しでもいらっしゃる。
それだけがここまで続けられた理由だと思います。
少しでも、皆様の時間つぶしのお役に立てていればよいのですが・・・
このエピローグをお読みいただいた方はお気づきかもしれませんが、重清君の物語はもう少し続けたいと思っております。
やっと、彼にもやりたいことが見つかったことですし。
きっと楽しみにしている方はいないと思いますが、そんなことは気にせずにこれからも楽しんで書いていきたいと思います。
はい、完全に自己満足です。
自己満の何が悪いっ!!
おれは忍者の子孫 メバ @tera4416
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