第2話

 後日、施設からの連絡を受けて担当の人とカフェで会うことになった。前の役所的な場所かと思っていたがより話しやすい環境としてカフェやレストランで会うようにセッティングされているらしい。

 私が入ると連絡受けたところに女性が座っているのが見えた。


「すいません。」


 私が恐る恐る話しかけると合っていたようで彼女がこちらに振り向いた。


「お世話になります。お待ちしておりました」


 そう答えた彼女は、前の席を促して私はそこに座った。

 正面から見ると、スーツ姿で黒髪にショートヘア、大人しそうなイメージを感じた。


「まずこちらの資料になります。先に事務的な事を終わらせたいので」


 彼女は昨日の窓口の方より砕けた雰囲気で話し始めた。場所的なこともあり話しやすくする様にしているのだろう。


「ありがとうございます。事務的な話しはここまでで、なにか質問とかはありますか?」


 手続きについては分かったが正直この病について知らないことが多いから少し聞いてみたいと思った。


「いつからこの仕事をしているんですか?」


 気がついたら彼女のことに関しての質問になってしまった。


「わたしは……元々は市役所で働いて居たのですが、この病が発生してからすぐに多くの対策部署が生まれその中でも親を失った幼児を助けたいと思ってこの仕事についたんです」


「ちなみに連絡はとりますがあくまで仕事としてなので、変な気を起こさないように注意してくださいね。」


 このご時世に男女間での連絡を取ることに対して厳しいのは分かるが、敢えて言われると少し悔しくなった。


「貴方が私を好きになってしまうかも知れないですよ」


 私が冗談交じりに言うと、彼女は明るく言った。


「それだけは無いので安心してください♪」


 そこまで言い切られると思っていなかったから結構傷ついて、チーズケーキを注文した。

 チーズケーキを食べていると彼女から話しかけてきた。


「わたしからも1つ質問していいですか?」


「この病にかかった人は、恋をして幸せだったか不幸だったかどちらだと思いますか?」


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蝉時雨 猫耳魔王 @nekomimi_maou

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