Fragment.3.5
ワタシ、キレイ?
中学二年生の時、そこそこ会話する子(友人とまでは言えない)が
汚い。
最初に浮かんだ感情が、申し訳ないけどそれだった。軽くパニックになった。頭の中はぐちゃぐちゃ、ぐるぐる。外面は
水で洗い流した後も、なんとなくおぞましい感覚がその日一日
その頃から既に強迫観念、被害妄想、不安症は私の生活のいろんな場面で顔を出し始めていた。接触不安も血液への嫌悪感の一因だったのだろう。
幼い、物を知らない
そこで私は、自分を
我ながら狂っているよね。
自分が綺麗じゃないなら、全部汚してしまえって、サイコパスの考えそのものだ。
*
*
*
私は一度、普通に小学校でアニメを卒業した。小四からサッカーを始めて、中学校は珍しく女子のサッカー部があったので、迷わず入部して練習に明け暮れた。でも技術は優れていたのに、不当な扱いを受けて(ああ、思い出すのも腹が立つ!)、レギュラーになれなかった。別にストライカーは点を獲ってさえいれば、チームメイトとのコミュニケーションは関係ないじゃん?
そんな苦い思い出から、高校では運動部に入らなかった。
入部した将棋部は週に一回しか活動日がないので、家に帰ってから暇を持て余していた。夕方たまたま暇で点けたテレビで火曜日に「T・クレイマン」、木曜日に「ゼーガバイン」を放送していた。こじゃれて
これは子供は分かんないよと思ったら、案の定、作品の評価は高いが人気はなくて、視聴率は酷かったらしい。夕方の帰宅が間に合わない時が多々あって、ぶつ切りで見ていたので、数年後レンタルDVDを借りてしっかり視聴した。確かにあの時間帯で流す内容ではないと確信した。
「ゼーガ」は売り出し中の新人声優が大勢出演していた。今ではみんなしっかり人気声優になっていて、一介の声優オタクとしては「この人はこの時から注目してたもんね~」と誰に自慢することもないが誇らしく思っている。。特にメインヒロインの声を演じた女性は、年も同じくらいで親近感を覚えた。
大学一年生の時、自宅のビデオテープデッキが壊れたので、我が家も大容量ブルーレイレコーダーにデビューした。録画が簡単にできるようになり、私は深夜アニメにどっぷり
最初の感動は凄かった。色鮮やかな風景の中で、魅力的なキャラクターが動いている。喋っている。それが一作品だけじゃない。週に十本以上も放送がある。
瞬く間にはまった。二次元に惹かれていった。こんなにも夢と希望が溢れる世界を今まで知らなかったなんて。なんてもったいないことをしてたのだろう。幸か不幸か、私が録画を始めた頃から、どんどん深夜アニメの数は右肩上がりに増えていった。
浮かれ立つその一方で、自制心は常に持つように努めた。作り物の世界に取り付かれないように自分に言い聞かせた。二次元の人間だって裏表はある。視聴者が見てない所、腹の中では何を考えているか分からない。
現実と同じだ。
でもそれを私が知らないなら、ないのと一緒。
深夜アニメを録画し始めて、約六年。
たった六年。されど六年。
幾度も三次元に打ちのめされた私は、二次元に救いを求めた。
弱い私は
*
*
*
たった一つ染色体の構造が違うだけで、人生は180度変わる。
女と男。
うちの兄妹の外見はお兄ちゃんが大まかには父親似で、下の二人は母親に似た。お父さんは
彼に、「私の容姿が可愛いから時間を
当然だよね。人間は繁殖本能には抗えない。男は胸やお尻が大きい、腰のくびれがある女に
ああ、もう! 意地悪なことばかり頭に浮かんでくる。最近はずっとこんな感じ。周りのいい所は全部スルーして、悪い所ばかりあげつらってしまう。
本当に私の心は汚い。
私は、汚い。
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