説明すべきコラムで自分語りをすると、受け手は困惑する ~ノベプラ勉強会 所感~

 ノベプラ勉強会終了!


 オレは「大喜利」と思って楽しんでいたので、なんの不満もない。


 ただ、他の書き手からするとグチが多かった印象。

 

「運営の落ち度だ!」とぶった切るのは簡単だ。

 だが、それより「なぜそうなったのかを考える」べきだろう。



●勉強会作品が大迷走したならば、運営の説明不足



 色々思うところがあるかなという中で、一番感じたのは、



「ルール説明段階で【自分語り】をされると、受け手はただ困惑するだけ」


 なんだなと。


 先導する運営の解説が不親切なのは、確かだった。


「冒頭が大事」っていうのは、熟練者なら誰でも知っている。

 ただ、初心者やエンジョイ勢が、ただ戸惑うばかりだったのが印象深い。


 名著を紹介して「これすばらしいでしょ?」と言われても、

「つまりどうやねん?」

「どないせえゆうねん?」

 という解説が全くされていなかったのがマズい。


 ゲームで言えば、


「最初からできることが多すぎる洋ゲーを、なにも説明なしで遊べ」


 と言われているようだった。


「わかりづらいチュートリアルと、使いづらいユーザー・インターフェイス」


 に振り回されながら、死に覚えなさいと。


「冒頭の視点移動」

 に関しては、

「視点人物の見ている場面をスムーズに切り替えて状況を読者に伝えるのだ」

 っていうのは、だいたい汲み取れる。

 だが結局、ほとんどの人が意味を間違えていた。


 中級者レベルの作家でさえ、意図を間違えて解釈し

「一人称から三人称へ移行して書くんだ」

 と勘違いした。


 熟練者でさえ、戸惑っていた。


 それはやはり、説明が分かりづらいからだ。

 意味がわかった上で「これがなぜ大事なのか納得できない」ワケではない。

「ナニを問われているのか、わかっていない」のだ。


 サンドウィッチマンではないが、「ちょっと何言ってるかわからない」のだ。


「それは書き手側のミスにすぎないでしょ」

 と切り捨てるのは自由だ。


 が、ここまで運営が求めている内容とズレた作品が続くと、

「意図が間違って伝わっている」

 ことに気づいてほしい。



 そもそも

「説明役の編集者より、その意図を汲み取った生徒側のほうが、説明の仕方がうまい」

 ってどうよ。


 これはちょっと、オレも反省した。

「自分はできてっかなー」と、悩むべき場所だなと。



●「つまらないのは【勉強会】だから。当たり前でしょ」って切り捨てていいのか?


 内容については、別に文句はない。

 この勉強会自体は面白かったと思う。

 

 もっとも、オレ自身が面白がれるように色々やったからなんだけど。


 つまんなかったにせよ、

「勉強会なんだから、こんなものでしょ」

 と言いたいのはわかる。オレも同じ意見。


 出されたものに文句をいうのも自由。

 素直に学ぶのも自由。


 ただ思うに、この勉強会に参加した方がいい理由を挙げるなら、

『「自分はお題・テーマを提供されたときに、どういう反応を示すのか」という「気づき」』

 の方が大事だからだ。


 文句をいうのか。

 従うのか。

 聞いた上で、歯向かうのか。

 まったく違う気まぐれに任せるのか。

 バッサリ断って、なにもしないのか。


 このコミュニケーションができるかで、プロになった後で編集さんの要求に応じられるかが試されるのかなと。


 だったら、自分でなんとかする。楽しんでいけるようにシフトする。

 しょうもないテーマにせよ、「妥協していいのか」と問いかける。


 不満を漏らすより、自分で楽しんでいく。

 成果なんて気にしなくていい。


 個性なんて意図的に出すもんじゃない。

 勝手に作品内ににじみ出てくるものだ。


 素直に従うのもいいが、どこかで反逆心が欲しい。

 勉強っつても、人が見るものだから。

 どうせなら、面白いものを読ませたいじゃん。


 オレは今回の勉強会で

「オレはお題を出されたら『大喜利と認識して、徹底的にふざけていく』スタイルなんだな」

 と気づけた。

 これは財産だ。

 

●「もっと集大成的なテーマが来ると思っていた」


 自分でやればいいよ。

 こういうのは自由だ。

 最終テーマに全部ぶち込んでまえ。オレはやったぜ。



●まとめ 


 ここ最近出たビジネス書の中でも、「自分の機嫌は自分で取ろう」といった内容がある。


 結局、スキにしたらいい。 

「つまらなくするのは、いつだって自分」なのだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る