団鬼六のイキ方が楽しすぎる

 漫画家・山田玲司先生のエッセイ『非属の才能』を、キンドル アンリミテッドで読む。


 いわゆる、「みんなと同じ道を行くな」系のエッセイである。


 中には作家のエピソードとかあって、

『村上春樹は朝六時に起きて、軽食を食ってから執筆はじめて、午後に時以降はフリータイム」

 という生活を送っているという。


 今のオレとあんまり変わらない生活をしとるやんけ。


 オレも朝五時に起きて一時間半の間に小説書いて、出勤して、一六時に帰ってきて執筆か読書するって時間割である。


 ちょっと、村上春樹に共感できた。



 それはさておき、その本にて「SM作家 団鬼六」のエピソードがあった。


 団鬼六は昔、学校の先生だったそう。


 彼は、生徒に自習させている間、SM官能小説を書いていたという。

 しかも、完成原稿は生徒に贈らせていたそうな。


 その作品が『花と蛇』である。


 授業中に堂々とSM小説を執筆して、映画化するほどのヒット作を生み出したのである!



 山田氏は「執筆に専念しようと思わなかったんですか?」と団鬼六に質問したら、


「コッソリやるのが、面白いんじゃないか!」


 と返されたという。


 この狂気こそ、非凡なんだろうなと思った。


「授業中にこっそり行う執筆活動こそ、一番楽しい創作活動なのだ!」


 と、団鬼六は言い放っていたという。

 

 最近、


「作家のモラルがー」

「威厳がー」


 など、よく耳にする。


 たいていそれは、「SNSでトラブルを起こす人」を指す言葉で、もちろんアウトだ。


 とはいえ、自分を抑え込んでおとなしすぎるのもリスキーなんだなぁ、と思った。


 トラブルメイカーはダメだが、アナーキズムって持っていてもOKなんだなと。

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