オレはこの考え方がこの世で一番嫌いだが、言いたいことはわかる

【エモグランプリ】原点にして頂点!卯月コウ伝説、その一端【卯月コウ/にじさんじ/切り抜き】


「同級生が、高校野球中継に出ている。中学の時はオレのほうがうまかったのに」

「あいつらの方が、正しく青春していて、カッコいいと思う反面虚しく感じる」


 これは、卯月コウさん に送られてきた投書。


 卯月コウさんは、この考え方を、

「この独りよがりさが、陰キャらしくていい。オレは好き」

 と肯定している。


 ただオレは、

「勝手に『正しい』と思いこんでる」

 思考が、オレ的にはめちゃくちゃキライ。


 が、いいたいことはすごくわかる。


 オレは最初からズレてるやつ、突き抜けた陰キャが好き。

 なんで、こじらせたやつが一番キライなんだ。

 一般的な陰キャが。


「クラスの片隅でシュンとしているやつより、クラスのさらに片隅でほくそ笑んでいるやつ」

 が好きなんだ。

 さらに少数派のやつな。

 いわゆる「真のぼっち」ってやつ。

 他人を見下しまくっているやつな。

 オレが、そういうやつだったから。


 ただ、卯月さんの言葉はすごく刺さる。


 優しい。陰キャを包み込む優しさがある。


 オレにその優しさはねえわ。

「勝手に自滅しておいて、勝手に絶望してんじゃねえ」

 って思っちゃう。


「まず陰キャなりの楽しさ見つけろや」

 って言ってしまうわ。説教してしまう。

 だから作家を目指しているのだろうな、オレは。

 自分を救うすべを知っているから。


 卯月さんも「陰キャには陰キャの青春の送り方・楽しみ方があったはず」と言っている。


 しかし、

「自分で勝手に『正しい陽の青春がある』と決めつけて、ダメージを負っている」

 と表現し、これこそが「エモの真髄である」と語る。

 凡才として生まれたら、名文が生まれてしまったと。


 弱者の文学であると。


 オレは常々

「別にオレは弱者じゃねえ。かわいそうじゃねえし」

 って考えている。


 本質的に、弱者の気持ちなんてわからないのだろう。

 だからウケが悪いのかもしれない。 


 ただ、卯月さんのおかげで、

「オレがキライとする陰キャの思考パターン」

「そういう人たちがどんな思いを抱いて生きているのか」

 がわかった。


 オレは全然未熟だったわ。

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