怒り自体は、持っていていい。どうせなら作品にぶつけろ
前回、「人の悪口には付き合ってはいけない」という意見をのべさせてもらった。
しかし、
「怒り自体を封じ込めないといけないの?」
と思われた方も、いるかもしれない。
オレ的には
「怒りがモチベになるなら、作品に活かしたら?」
と思っている。
前も話したが、オレだって頭にくることはある。
わかりやすさだけを追求した作風に辟易したり。
今まで読み応えを鍛えたのに、時代が変わって「読み応えは不要」と言われたり。
そうはいいつつ、「主人公がやたらと最悪からスタートしないといけない」場面に出くわしたり。
個人的に、最悪スタートは気が滅入るのでやりたくない。
「胸糞悪い状態や展開は、誰だって嫌だ」と思っている。
やるなら、ある程度構えてからにしたい。
「スカッとジャパン」や「半沢直樹」を、みんな好きなわけではない。
また、「追放ざまあ」の場合、「最初からそういう奴らには近づかない」という作用が働く。
なので、
「結局、この主人公に人を見る目がなかっただけじゃん」
という「主人公無能認定」をしてしまう。
「親ガチャに失敗」という手もあるけど、それもねえ。
という、「大映テレビ的展開」がどうも好きになれない。
「人からすると新鮮かもしれないが、オレからすると古臭い」
のである。
なので、面白くないというより「見たくない」のだ。
だからロクに調べない。
ホラーだったらわからないけど。
異世界転移にせよ、せっかく未知の世界に来たんだから「気分がいい状態で」体験したい。
良くも悪くもない、フラットな状態で迎えたいのだ。
そういう負の感情はあってもいい。
しかし、「オレは嫌い」でとどめておけないものか?
「自分的に好きな話ではないから、別の戦略で勝負するわ」
といったシフトをすればいいだけでじゃないのか?
調べるだけ調べて、使えそうな部分だけチョイスすればいい。
サブキャラをいじめたやつをシバくとか。
相手が心から反省する人情物にシフトするとか。
富野由悠季監督だって、現状へのフラストレーションは「作品で昇華」していっているではないか。
ほとんどのプロは、いいたいことがあっても「説教なんて誰も聞きはしない」ってわかっている。
キャラに代弁させることだって、工夫してやる。
みなさんのご存知「カリ城」のとっつぁんがいるでしょ?
「あなたの心です」
ってセリフ。
あれね、ロマンティックさを表現したんでもなんでもない。
実は、「宮崎駿の本作に対する皮肉」らしい。
そう、アニメージュに書いているのだとか。
そういったふうに、
「プロならプロらしく、作品で何もかも描く」
のが筋ではないんかと。
悪口が言いたかったら、飲み屋でほろ酔いになりながら酒場の隅にでもおいていけばいい。
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