ネットの『ダークファンタジー』が信用できない

(以下は、公募に出す人用の話)


 みなさんは、「ダーク系」のファンタジーとかは読むだろうか?


 俺もゲームならディアブロとかグリムドーンとか面白そうとか思うし、海外産ファンタジーはいいよねー、とか思う。


 ただ……ネットで出回っている系は躊躇する。


「重い、暗いだけだったら、どうしよう?」


 とためらってしまうのだ。


 食わず嫌いってわけではない。


 ただ、講座でさえダーク系はうまくいってないケースは多かった。


 なんつうんだろう。みんな真面目なのね。


 だから、火力がない。


 ただ「しんどい世界を作ればいい」と、思ってない?

「希望がない世界を書けば終わり!」とか、考えてない?


 そういう視野の狭さが、話の流れから「上げて落とす」という技法を遠ざける。


「結局、キャラを下げて下げるだけ」

 なので、落ちるキャラはとことん落ちるだけ。


 そういう話を、書いていないだろうか?


 暗い話が好きなのはわかるが、 

「キャラをいじめればダーク」

 なんて思っていてはいけない。


 そんな作品は、ごまんと読んできた。 

 みんな、講師から酷評だった。


 しかし、堕ちていくキャラを書きたいからか、ちゃんと書き直したって人はあんまり聞かなかったなぁ。


 わずかな希望にすがって、それでも堕ちていくという感じが大事だったりする。

 それも、とっておきの釣り針である必要性が。


 希望の中に絶望が必要なように、絶望の中にも希望が必要なのだ。

 暗い話にしたいなら、最高潮の部分で突き落とせばいい。


 

 それくらい、ダーク系って雰囲気作りがめちゃ重要なのだ。

 どちらかというと、

「皮肉の効いた、ライト系ファンタジー」

 のほうがとっつきやすく、個人的には読みやすい。


 俺もそっちばかり書いている。

 茶番と思わせて、すごく重要シーンだったって方が楽しい。

 バカバカしい世界のほうが、振り切れていて好きだ。


 俺がおっさんだからかもと思ったが、俺は昔から

「上っ面だけのダークファンタジー」

 なんか見向きもしなかったな。


 ガチのダーク系は、マジで脳を壊す勢いで感情を揺さぶってくるものだ。

 コメディもシリアスもうまい。


 ダークな展開というのは、暗闇を歩くのではない。

 吊橋や崖っぷちをソロリソロリと歩くものだ。

 なにかに追われながら。

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