庵野秀明 + 松本人志 対談

 アマプラでやっている、庵野秀明監督と松本人志さんの対談を視聴。


 前篇


 Q:エヴァにはなぜ公衆電話が残っている?

 A:リアリティを感じてもらうには、見慣れたものを見てもらうのが丁度いい。


 そこで松ちゃんが、

「シン・ゴジラは本当にあったっぽい話で描かれていて不思議だった」

 と語る。

『シン・ゴジラ』はドキュメンタリっぽく撮っている。劇作家として書こうとしていない。


 庵野監督の世代は、共通体験がテレビしかない。

 その前の世代は戦前戦後全共闘など、日本中に一体感があった。

 しかし、監督が幼少期の話題となると、昨日見たテレビに限られていた。


 

 松ちゃんは、マジンガーZが最終回でボロボロにされているシーンや、タイガーマスクのマスクが取れたときに、勃起に近い興奮を感じたという。


 賛否分かれる評価についていうと、松ちゃんは「称賛ばかりもらっても当たり前やんけ」という自分もいれば、「コンプレックスにもなっている」という。


 映像は変わらない。見る人が変わっていく。

 たとえば、恋愛映画でも、「振られた直後」か「超ラブラブ」の状態など、見ている時のコンディション、人生経験の差によって見方は変わってしまう。

 ただ、批評は作品の監督にだけいってほしい。作った人などに飛び火するのはやめてくれと。

 作品論だけにしてくれと。



 後編


 シン・ウルトラマンで「カラータイマーがない」という話題に。


「ウルトラマン本編で『制限時間は三分』というのは語っていない。帰ってきたウルトラマンでやっと説明がある」

「キングジョーという名前も、図鑑に書いているだけ」


 ゴモラ戦で初めてウルトラマンが負ける。

「これがすごくエロスなんですよ」


 そこで松ちゃんは「谷崎潤一郎」が好きなのでは?と尋ねる。

 ド変態なのでは? と。

 あまり読んでないけど好きと語る。


 監督は、『ザラブ星人が「仕事で地球を滅ぼしに来ている」という設定』が、すごく痺れたという。

 怪獣より宇宙人が好きだという。

 また、にせウルトラマンにチョップしたとき痛がっているシーンは自分でも何度も真似したという。


 ずっと松ちゃんが笑っている。



 総評


 岡田斗司夫さんの性格分析だと、ふたりとも『理想形』だという。

 職人気質だと。

 たしかに、ふたりともあまり目を合わせようとしていない。

 お互いソワソワして、身体が相手に向いていないなど、けっして初対面だからではない緊張感が走る。


 そんな二人だから、かち合うのかは不安だったが、ここまで打ち解けて語り合えるとは。

 ぎこちない割に、密度の濃い話をしていて面白い。 

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