『映像研には手を出すな!』 視聴

 オレは『SHIROBAKO』や『NEW GAME』、『少女たちは荒野を目指す』など、クリエイターが主役の作品が大好きだ。最近だと『映画大好きポンポさん』などもある。



 で、『映像研には手を出すな!』がネトフリなどの配信サイトで流れるようになったので、視聴している。

 TV版は、上映時期を間違えて第一話を見逃してしまった。なので、ネット配信はありがたい。




 主人公の浅草氏は作画能力があるが必要以上に「設定警察」を恐れる傾向があり、リアリティにこだわりすぎる面がある。いわゆる「設定厨」だ。



 ヒロインの水崎ツバメは読者モデルをやっているが、自身がやりたいのはアニメーションである。しかし、なんでもかんでも自分の手で完成させたがる。いい意味でも悪い意味でも職人肌だ。



 内容としては、終始、

『金森氏には手を出すな!』

 という感じだった。



 この作品を見ると、

「収益化がいかに大事か」

 がわかる。


 金森氏は生徒会を納得させる作品を納期までに完成させるために、

「浅草氏が長年溜め込んでいたネタからピックアップ」

「すぐに作品できて、視聴者を圧倒できるハイレベルな作品を選択」

 した。


 また、映像研の作品を

「読者モデルの【水崎ツバメ】を起用したアニメ」

 として大々的に宣伝、SNSで拡散させる。


 この手法は、本作自体にも活かされている。

 本作の主人公である浅草氏の声優は、女優の伊藤沙莉さんだ。


 肝心のツバメが観察眼の高さ故にアニメーションにこだわりすぎて暴走するのを食い止める。


 また、浅草のイマジネーションを最適化し、いかに効率的に具体化できるかと導く。


 それもこれも、運営にはカネがかかるから。

 はやく資金を回収しないといけないからだ。


 金森氏は決して守銭奴というわけではない。

「利益を生む行動」

 が好きだと一〇話で語る。


 こういう性格になったきっかけは、

「自分の親戚が経営していた酒屋が潰れたこと」

 だったと、第九話にてわかる。



 こだわりが強すぎて周囲の環境変化についていけず、経営センスがあった金森氏がいても立ち行かなくなった。

 収益化できないと、やりたいこともできないと、自分の好きな店を守ることもできないのだと、幼少期に思い知ったからだ。


「誰も知らない店に客なんて来ない」



 そして、「いい店なら客が来る」という考えを、SNSに上げている作家志望者は多い。


「商品の充実だけにこだわっても意味がない」

「時代に会った需要・供給・宣伝が大事」

「いい店だから自然と客が来るなんて甘い!」

「宣伝は必須。また、作品がなければ何も始まらない」

「こだわりだけでなく、客の購買意欲を掻き立てる内容を考えろ!」


 金森氏は、そう言い張る。


 オレ的に、第九話はすごく刺さり、考えさせられる内容だった。

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