第〇〇話・山のキャンプ場と海の家が崩壊⁉新たな仲間『古代のミイラと即身仏の姫』③ラスト
ニュー邪魔スルナヤは、メチャクチャ強かった。
閃光王女たちの攻撃は、まったく歯が立たなかった。
「ウェディングパワーバージョンの、最強攻撃が効かない?」
キャンプ場で暴れるニュー邪魔スルナヤが、放り投げたバンガローがキャンプ場の外れにあった小さな
その瞬間、祠が聖なる光りを放ち、光りが当たった岩が左右に割れ。
空洞の中から、エジプトミイラの立棺が現れた。
ミイラの棺の中から女性の声が聞こえてきた。
「誰じゃ、ワラワの神聖な永遠の眠りを醒ました不届き者は」
立棺のフタが開き、中に包帯が巻かれ両腕を交差させたミイラが入っていた。
宝石の首飾りや、金の腕輪や足輪の装飾を身に着けたミイラが棺の中から歩いて出てきて。
ニュー邪魔スルナヤを指差して言った。
「おぬしか、ワラワの眠りを妨げた愚か者は……アヌビス神の天罰を受ける覚悟はできておるだろうな」
ミイラの腰に古代の閃光王女がしていた、変身ベルトが自動で巻きつき、ミイラが変身する。
「静かなる冥府の川の流れが荒れる時、ワレ甦り邪悪を滅する……冥界王女・スカラベ姫……寝つきが悪いワラワを起こした報いを受けるが良い、この愚か者がぁ」
黒髪でエジプトの王女のような格好をして、胸と股間を包帯で隠したスカラベ姫の両腕から伸びた包帯が、ニュー邪悪スルナヤを捕らえてブンブンと振り回してから、地面にニュー邪悪スルナヤを何度も叩きつけた。
「おまえのような下衆に、魂を心臓の形に変えて肉体から引き抜く神聖な『カーの霊槍』を使うまでもないわ!」
幾度目か叩きつけた時に、ニュー邪悪スルナヤは消滅してドングリだけが残った。
スカラベ姫が、ゆるりの方を見て言った。
「見たところ、おぬしらがこの時代の閃光王女のようじゃな……ワラワが目覚めたというコトは、ワラワの義妹の閃光王女も目覚める可能性が高いというコトじゃ。近くで他に戦っておる、おまえたちの仲間がいたらその場所に案内せい」
◇◇◇◇◇◇
海水浴場では、サザエの被り物をしたニュー邪悪スルナヤが、海の家を丸ごと海にぶん投げて叫んでいた。
「ニュー邪魔スルナヤァァ!」
海の家が投棄された海中から、女性の声が聞こえてきた。
「誰じゃ……ワシの安らかな眠りを妨げる者は、冥府の怒りを、その身に受けるが良い」
海中から光りの柱が天に伸びて光りの中、海から巫女の即身仏が上陸してきた。
洞窟のような
浜に立った黒髪の巫女即身仏の腰に、過去に活躍した閃光王女の変身ベルトが自動で巻かれる。
姫変身する即身仏。
「常世の国から甦り悪鬼魔物を退治する、可憐なる冥界の美少女……奈落王女・ダキニ姫」
即身仏に生気が集結して、キツネの耳と尻尾を生やして身長を越える高さの大剣を持った、閃光王女が出現した。
ダキニ姫は、間髪を入れずに大剣をニュー邪魔スルナヤに向かって投げつける。
大剣がニュー邪魔スラナヤの体を貫く。
「ギャァァァ、邪魔スルナヤァァ」
さらに、ダキニの開いた手の平から黒い霧のような虫の大軍が、大剣に貫かれたニュー邪魔スルナヤを包み込む。
「そいつを、喰らい尽くすのだ……冥府虫」
黒霧のような虫の大軍が、ダキニ姫の手の中に吸い込まれると。
サザエだけが残されていた。
ダキニ姫の手に大剣が、飛んでもどってくると。
山の方から空中を飛んできた棺船が、ダキニ姫の近くに着陸して中に乗っていたスカラベ姫が義妹のダキニ姫に言った。
「やはり、死者の国から復活しておったか……ダキニ」
「姉上も、お元気……いいえ、お亡くなりになっていたようで」
「さて、それではワレら不死の閃光王女は、元の姿にもどって。敵が現れるまで死者の眠りにつく……ミイラ化したワレらの体を粗末に扱うでないぞ」
そう言うと、スカラベ姫は包帯が巻かれたエジプトミイラにもどり。
ダキニ姫は、即身仏の姿にもどった。
狐狸姫たちは、砂浜に座った即身仏と、棺のフタが閉じられたミイラの棺を前に。
「どうすんのよ? この乾燥した死体? 持って帰るの?」
そう、ぼやいた。
第〇〇話・山のキャンプ場と海の家が崩壊⁉新たな仲間『古代のミイラと即身仏の姫』~おわり~
マオマオくん裏地球に回される 1~今日もすこぶる平和です、悪い人もヒーローも仲良く遊んでいます~ 楠本恵士 @67853-_-
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