地元にあるゆきおんな伝説に絡む謎を究明しようとする少年少女の話であるが、単なるストーリーの羅列に終わらず、登場人物の会話から浮かび上がる個性の輝きや、思春期特有の微妙な人間関係が、この話を豊かに肉付けしていて、読む者に納得と充実感を与えてくれる。作者の感性の豊かさや優しさのたまものであろう。準主人公である真杉という少女に会ってみたいという気持を強くした。
全体として、表現は自然で説得力があるが、年齢設定がもう少し上かなと言う事と、結末が若干急に感じられた事、を除けばもうプロの仕事だと思う。アマチュアの作品という事を忘れて、最後まで読んでしまった。
今後もこのような作品を展開して欲しい。