女子バレー部の青春物語

@shikiguma

第1話 全国目指します! 最強顧問の赴任

今年も、山村高校の門の近くの桜の花が満開の季節となった。この桜の花たちが、まるで結衣や桃花や麻衣たちの最終学年へのスタートを祝福しているようだ。結衣達は、幼馴染で高校まで一緒に歩んできた。ただ、卒業後は別々の進路に進む予定である。そこで、結衣達は「高校最後何か大きな目標を達成したいよね」とよく話をしていた。ただ、そんな話をするものの、具体的に何をするわけでもなく、授業を受けて、バレー部で活動して、楽しくおしゃべりしながら家へ帰るそんな変わらない毎日を送っていた。そして、今日も授業が終わり部活を行うために、体育館へと向かっていた。部長である結衣は「せめて今年は、バレー部で県大会くらいはいけるくらいは頑張ろうよ」と話をした。麻衣たちは「毎年地区大会三回戦までいければいい方の私たちが出来るかな」と疑問そうに返事をした。「それもそっか、楽しくバレーが出来ればいいか」と結衣は言い、続けて「新しい顧問が来る日だったね、早く着替えよ」とみんなに指示を出し、結衣は体育館に着くなり直ぐに体操着へと着替えていった。みんなも体操着へと着替え、準備を終え、練習に取り掛かろうとしたその時であった。ガラガラと体育館の扉が開くとともにに知らない男の人が扉の向こうに立っていた。その人は、結衣達の方へ向かってくると早々に「今日から顧問になった藤田だ、よろしく!」と言い軽い自己紹介を済ませた。その自己紹介を聞いた結衣達は腰を抜かすほどに驚いた。この新しい顧問の藤田先生という人は自分自身もバレー選手としてプロで活躍し、顧問としても三度の全国大会へと導くなどとんでもない最強顧問だったのだ。結衣はすかさず「なぜそんな先生がこんな弱小高校へ来たのですか?」と質問をした。藤田先生は何だか難しそうな表情をして、「時のめぐり合わせてというものだ」と回答を濁した。結衣達は、その答えを練習をして数週間で気づくことになるのだった、、、。そんなことよりと藤田先生話始めた。そしてある一言が結衣達をさらに驚かせることになった。「全国!?」結衣達は思わず聞き返さずにはいられなかった。「あぁ、本気で言っている、この目標を達成するためには何でも行う」と藤田先生は宣言をした。また、「この目標を達成出来ないと少しでも思うやつは、部活をやめてもらって結構」と言い放った。そして、「今日は会議があるから明日から本格的な練習、指導は行うからそれまでに気持ちを決めておいてくれ」と言い体育館を後にした。顧問がいなくなった後、結衣達はみんなで目を見合わせ、きょとんとした表情であった。麻衣は、「さすがに全国は無理でしょ」と否定的であった。ただ、結衣は「あの藤田先生についていけば全国も夢じゃないかもよ」と言い一緒に全国を目指したいそんな目でみんなを見ていた。その本気の眼差しに部員たちも「高校最後の思い出作りに本気出そうか」という思いとなり一丸となって明日からの練習に臨むことを決意した。ただ、この時はまだ結衣達は明日からの厳しい、厳しい練習が始まることなど知らず、期待に胸を膨らませ、地獄へのスタートラインに立っていた。

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