第10話 吉備路一周・図書館めぐり
2020年8月30日・日曜日。
晴れているのは大いに結構だが、あまりにも暑すぎる1日でした。
この日私は、岡山から総社経由で倉敷に出て、合計2件、図書館への拙著の寄贈を実施いたしました。伺った先は、総社市立図書館と倉敷市立図書館のそれぞれ本館。どちらも、ちょうど14年前に企画出版で出した拙著を「郷土資料」として蔵書にしてくださっている図書館です。
朝の用事を済ませ、11時過ぎに自転車で岡山駅に出ました。これからどこかに行くときの常として、水分補給用の麦茶などのペットボトルを買うものなのですが、この日はなぜか、それを買うのを忘れていました。まあ、倉敷で有名な老舗のカレー屋に行くから大丈夫だろうと、たかをくくっていたのがその理由です。これはさすがに、大いに反省しております。まあ、寄贈用の本が6冊も手持ちでありまして、ちょっと重いから、まあいいや、と思ったというのも、あるにはありましてね。
まずは、岡山駅前の金券ショップで岡山と倉敷の間の回数券を1枚買いこみました。本来330円のところを30円、これで安くできました。それから地下の改札に出向き、今度は330円の乗車券を買いました。これで、東総社まで行くためです。最初は倉敷に先に行って、それから総社に行こうと思っていたのですが、なぜか改札前の時刻表を見て、もうすぐ吉備線の列車が出るというのがわかったので、慌てて買って改札に飛び込んだのですが、微妙な差で乗ることかなわず。
やむなく、ホームで20分ほど待って、改めて吉備線の普通列車で東総社へと向かいました。乗客数はそれなりで、立ち客が出ない程度。ロングシートの気動車2両で、後ろ側の車両に腰掛けて岡山の市街地から郊外の田園地帯へ。乗車すること約30分で、東総社着。
東総社駅からは、徒歩。タクシーは駅前にはいませんでした。
もうええわ。
歩いて15分ほどで、総社市役所の建物が見えてきました。その向かい側手には総社市民会館などがある。図書館、このあたりだったろうという目星はついていたのですが、わからないので、公民館の事務局に行って聞くと、もう一つ隣の、南西にある建物だと言われ、そちらに移動。
図書館に入り、1階のカウンターで著述業の名刺と著書1冊を差出し、無事に寄贈終了。ここからまたもと来た大通りを歩いて、総社駅へ。
それにしても、このときでちょうど13時過ぎ。暑いこと、この上なし。隣の高梁市は夏場の最高気温記録を更新したとか何とか、後でネットなどを見て知りましたが、その隣の総社市に、よくまあ、こんな時間に行って歩き回っていたものです。
まあともかく、総社駅が見えてきました。
ホームには、黄色の電車が停まっています。
これは急がねば、と思ったものの、どうもすんなり動き出す気配がない。その理由は、特急「やくも」の追越し待ち。まあ、慌てずにとにかく橋上の駅に入り、改札の電子時刻表を見て、あと5分ほど停車することを確認。
総社から倉敷までの240円の切符をデビットカードで買い、売上票を確保。これで領収書に代わるものが得られたので、切符は自動改札で回収されても問題ない。
ホームに降りて、一番後ろの車両の向い合せになった席に座って、涼む。そういえば、ペットボトルの飲料がないけど、ま、いいか。どうせ倉敷に着いたらカレー屋で水にありつけるわい。
13時25分に、定刻で列車は出発。それから10分後、倉敷に到着。
橋上の駅舎から大通りに向けて陸橋を横切り、大通りではなく、その横の「一番街」と称されるかつてアーケードのあった元商店街に出て、そこからひたすら、南に向かう。大通りを歩いてもいいのですが、こちらを歩き切った経験がないので、せっかくだからこちらを歩くこと15分ほどで、倉敷市立図書館の裏側あたりに。そこから美術館の横をすり抜け、ようやく、本館の正面入口に。
図書館に入り、1階のカウンターで寄贈の手続きをしました。
今度は、寄贈の申込用紙に必要事項を書き、名刺と拙著の寄贈分4冊をお渡ししました。なぜ4冊かというと、倉敷市は3市と周辺のいくつかの町が合併してできた市で、それなりの規模のある図書館が岡山よりも多いからというのが、その理由。
まして前回は、県内の出版社の出したものということで、本館では1冊貸出用にするとともに、もう1冊を郷土資料としていただいていることと、さらに水島と玉島の2図書館に貸出用として蔵書になっていることがネットの横断検索で判明していたので、岡山市と津山市と同じく4冊を寄贈いたした次第。
せっかくなので、寄贈する拙著4冊と名刺、それに寄贈の申込用紙を持参のタブレットで撮影させていただきました。そのあと、申込用紙の半分が図書館の記録として切取られ、その半分がお礼状を兼ねたものということで手渡されました。
それにしても、随分軽くなったものですな。
図書館を辞し、今度は大通りを渡って美観地区をかすめ通るように駅前の商店街に入り、そして目当てのカレー店へ。日曜日なので、終日営業のため、当然営業中。昼食時も終わっていたので、難なく店内に入れました。
この「神戸屋」というカレー店、随分前からあるようです。この店一番のおすすめは、豚カツのカツカレー(一番高い商品だから? ってわけでもないだろうけど~苦笑)。それを大盛で一番辛いものにし(それぞれいくらかの金額アップあり)、飲み物をつけて合計1250円。決して惜しくはない出費です。飲み物はラッシーに。
何より、ここで水にありつけたことが実にありがたかったです。
まずはラッシーがやってきて、ほどなくカレーも出てきました。
さすがにカツを食べるのにスプーンだけでは食べづらいので、フォークを追加でもらい、それも使って、辛口の大盛カツカレーを食しました。
カレーを食べ終えて、ふと、目の前を見ると、福神漬の入れ物をコロナ禍のためテーブルに出していない、いる人は店員に言ってくれ、とのことが書かれていました。福神漬が入っていないから、不思議に思っていたけど、何だ、そういうことか。でも、食べ終えたから、ま、ええか。
ラッシーと水を飲み終え、商店街を歩いて倉敷駅へと出ました。陸橋に上る手前には、一度行ったことのあるラーメン屋が。ここはなんと、「あなたの体のためにも、うちのスープは全部飲み干してくれ」という趣旨の言葉が看板に書かれています。確かに、美味いスープでしたけどね。特に、飲んだ後なんかには、ね。
この後倉敷駅から、最初に買った回数券を使って次に来た伯備線からの列車で岡山に戻りました。
このときの電車は、115系の300番台。もう50年前後走っています。岡山に来たのがおおむね40年前。その頃は冷房もなかったが、後に取り付けられました。シートのモケットも、国鉄時代には青だったのが、今は茶色。ただ、先程乗ってきた黄色の電車のような向かい合わせにできる転換クロスシートではなく、昔ながらのボックス型のクロスシート。戸袋窓のあたりはロングシートもある、言うなら、「セミクロス」型の典型的な座席配置。さすがにこの編成、国鉄時代からの湘南色ではなく、すでに全面黄色になっているものでした。
約20分弱、50年選手の電車に乗って岡山に戻ると、どうも、かなり雲がかかってきた模様。駅前で飲んで帰ろうと思ってはいましたが、それもしんどいので、この日は自宅近くの酒屋でジンジャーエールの瓶を1本飲み、その後近所のスーパーで350ミリのビール6本と麦茶を買って、16時30分ごろ、自宅に戻りました。
水シャワーを浴びて着替え、ビールを1本だけ飲んで、1時間近く寝込みました。それから起きだしたものの、どうも何も食べる気がしないので、数日前にいただいていた500ミリのアクエリアスのペットボトルの半分を「点滴代わり」に飲み、それからまた、ビールを1本飲みながら、ネットのメールチェックをするなどして過ごしました。さすがにこの後は、何か文章を書こうなんて気が起こらず、断続的にビールを冷蔵庫から取り出してさらに2本、つまみ一切なしで飲みました。
翌朝起きたのは、7時過ぎ。
私はときどきね汗をかいて、布団代わりのマットの裏に水がしみ込んでいることがあるのですが、この日は、いつも以上にしみこんでいました。
ちょうど晴れていたので、さっそく毛布とマットをベランダに干し、洗濯をしつつネット情報のチェックをし、洗濯ものを干して、それから出かけました。
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