第2話 2020年8月31日

いま俺は、今朝から何だかストレスが溜まっているので、

昼間からサイゼリアで昼酒をあおっている。


サイゼリアの良い所は、メニューの値段が安いのはもちろんの事、酒が安い。

特にワインのデカンタ500mlが『400円』とクソ安い。

バーで飲めばグラスで500円以上はするのだが、このデカンタのサイズだと5杯飲んでもまだ余るほどの量だ。さらにドリンクバー(単品300円)を追加することで、アイスと炭酸が飲み放題となるので、お好みのカクテルにアレンジすれば更に夢は広がる。もう夜の居酒屋とか洒落たバーで酒を飲むのがバカらしくなるほどの割安感とお得感と泥酔感と絶頂感を味わう事ができて思わず天気の良さと相まって飲み過ぎてベロンベロンになること受け合いなのだ。


例えば、『昼間っからお酒飲んでる人はダメ人間』的な風潮があるが、

では、バーベキューとかで飲む酒は何でイイの? と思ってしまうが、簡単に言うと平日から酒飲む人はダメ人間だと思われているのだと思うと、じゃあ平日休みの人とかは、せっかくの休日にハメ外せなくて可哀想に思えてしまう。このコロナ過でみんなストレス抱えて一生懸命働いているのだから、少しぐらい大目に見てくれてもイイんじゃないですか? 


景気は確実に低迷してるし、大手企業だって顔真っ青にして経費削減に積極的に取り組んでいる。冬のボーナスが減るまたは無くなるのは当たり前。残業も減り昇給も期待できない。確実に堅実に企業はコストカットという名のリストラを増産する。


そうするとどうだ?

いままでボーナス頼みで住宅ローンや支払いを行っていたサラリーマンの大半は悲痛な叫び声を大声で上げることは明白で、クリスマス商戦なんか間違いなく爆死するだろう。だって、みんなお金がないんだから。行き場を亡くしパンク寸前のデフレスパイラルに殺されかねない。クリスマスプレゼントを貰えず泣き叫ぶ子供たち。そしてリストラや減給され住宅ローンを払えずに家を競売され泣き叫ぶ親たち。悪夢のような12月25日は確実にやってくるのだ。これを後に『魔のクリスマス』と呼ぶ。


話しをサイゼリアに戻そう。

新メニューの、『アロスティチーニ』がウマい。

『ラム肉を串焼きで香ばしく焼き上げました。みんなでつまんで。』(原文ママ)

こいつは普段あまり食べることのない羊の肉を、やみつきスパイスという謎の香辛料を付けて食べるのだけど、カレー粉ともコショウとも違って何とも食欲と酒が進んでしまう悪魔のようなスパイスであるのだ!


例えるなら、ゴルゴダの丘で張りつけにされたイエスキリストが失禁したフンドシのような味ともうしましょうか、または、高橋名人が16連射で割ったスイカの汁が目に入ったような味ともうしましょうか、または、聖戦士ダンバインの最終回でチャムファウ以外全員死んでシーララパーナが浄化を!と叫んだ際の唾液の味ともうしましょうか、とにかく美味しいんですよ。


今日もサイゼリアは、様々なお客でにぎわう。

それはまるで、コロナ過が終息したかのような願望。

それはまるで、コロナ過が無かった事のような麻痺。


いつまで続くのかわからない現状に、人々は前向きに笑顔を絶やさず、いつまで続けないといけないのだろうか?


それは、わからない。だれにも、わからない・・・


ひとつわかることは、『たまねぎのズッパ』が美味しいことだろう。

ウマいよ・・・300円だし。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ひるのみにっき しょもぺ @yamadagairu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る