少女よ、北へ走れ

木谷日向子

少女よ、北へ走れ

〇道路(昼)

T「北海道・札幌」

   武田明日香(17)、広げたスケッチブ

   ックを両手で持ち、リュックサックを

   背負っている。

   髪型はポニーテールである。

   スケッチブックには黒のサインペンで

   「最北まで連れて行ってください」と

   書かれている。

   車が何台か明日香の目の前を通り過ぎ

   る。

   溜息をつき、俯く明日香。

   一台の車が明日香の前に停まる。

   はっと顔を上げる明日香。

   運転席の窓がゆっくりと開く。

   不愛想な顔で車内から明日香を見る藤

   田一(40)。

一「……乗るか」

   明日香、一を見て瞠目する。

明日香「え、いいんですか!?」

一「赤い顔した小娘に、北国のこんなド田舎

 の道路で一人突っ立たれてて、無視なんか

 しちまったら胸糞悪いからな」

   ぱっと笑顔になる明日香。

   明日香、体をくの字に曲げて一に向か

   って頭を下げる。

明日香「ありがとうございます!」

   明日香から目を逸らし、前を向く一。

   明日香、顔を上げる。

   一の横顔。

   明日香、軽い足取りで後部座席に向か

   い、満面の笑顔でドアを開ける。

   苦虫を噛み潰したような顔をする明日

   香。

一「あ、言い忘れてた」

   無表情で首だけ後ろを向く一。

一「もう一人女がいるけど、それでも良けれ

 ばな」

   後部座席でチャイルドシートに座らさ

   れ、眠っている藤田二三香(0)。

   瞠目して、歯噛みし、二三香を見つめ

   る明日香。

明日香の心の声(赤ちゃんいんのかよ……)

一「おい、早く乗れ。出発するぞ」

   明日香、しぶしぶと言った感じで上半

   身を屈ませる。

   リュックサックを背から下ろすと車に

   乗る。

明日香「(二三香を見て囁き)ちょっと失礼

 するね」

   明日香、リュックサックを抱え、遠慮

   がちに二三香の隣に座る。

   眠り続ける二三香。

   少し顔を緩ませ、二三香から目を逸ら

   すと前を向く明日香。

   明日香、後部座席に乗り込む。

   一、エンジンを踏む。

一「おい、小娘。最北ってことは」

明日香「そうです。宗谷岬まで連れて行って

 ください。日本本土最北端! 地球が丸く

 見えるって言われてる宗谷岬公園」

   車内ミラーを見て明日香を睨む一。

一「宗谷岬ってお前……。こっから車で6時

 間かかるじゃねえか。稚内駅前からバス出

 てんだろ。何でわざわざヒッチハイクなん

 かしてんだよ」

   車内ミラーに映る睨み顔の一。

   同じく車内ミラーに映る、舌を出して

   すまなそうにウィンクをして手を合わ

   せている明日香。

明日香「ヒッチハイクして行くって決意しち

 ゃってて」

   溜息を吐く一。

一「ったく」


〇道路(昼)

   長い道路を走り出す車。


〇空


〇一の車・中

   前を向き座っている明日香。

   一、黙って運転をし続けている。

   明日香、視線だけでちらりと二三香を

   見る。

明日香「ねえ、おじさん」

一「(前を向いたまま)あ?」

明日香「運転中に音楽かけない人?」

一「……そうだが。静かに運転に集中してえ

 からな」

   明日香、少し前屈みになり、一の座席

   に顔を近づける。

明日香「自己紹介まだだったよね。あたし、

 武田明日香」

   ちらりと視線を隣の二三香に送り、ま

   た前を見る明日香。

一「……オレは藤田一。そいつは二三香」

明日香「一さんと二三香ちゃんか、いい名前

 じゃん」

一「(舌打ちし)何で上から目線なんだよ。

 何様のつもりだ」

   更に前屈みになる明日香。

明日香「この子、一さんの娘さん?」

一「……そうだが」

明日香「何で赤ちゃんと2人でドライブして

 んの? 奥さんは?」

   不適な笑みを浮かべる明日香。

明日香「あ、もしかして逃げられたとか?」

一「そういうときは自分から話せよ。お前こ

 そあんなところでヒッチハイクなんかして

 どうしたんだ。お前、北海道の人間じゃね

 えな」

明日香「うわ、ばれてましたか」

   明日香、頭を掻く。

   口元だけ笑い、一から視線を逸らす明

   日香。

明日香「あたしは東京から来たの。たった一

 人で」

一「へえ。学校はどうした。ああ、夏休みか」

明日香「うん。人生の夏休みだよ」

   勢い良く座席の背にもたれ、天を仰ぐ

   明日香。

明日香「高校辞めちゃった」

   一瞬瞠目し、真顔に戻ると唇を結び、

   息を止める一。

一「……そうか」

   明日香、切ない笑顔で窓に近付き、

   外の景色を見つめる。

   後部座席の窓を人差し指でコツコツ

   叩きながら一を見る明日香。

明日香「ねえ一さん。窓開けてもいい?」

一「勝手に開けろ」

   くすりと笑う明日香。

   明日香、自分側の窓の開閉ボタンを押

   す。

   開く窓。

   窓から顔を出す明日香。

   目を細め、風に吹かれる。


〇道路(昼)

   走り続ける一の車。


〇一の車・中

   明日香、窓から顔を出して外を見てい

   る。

   俯き、腹を片手で押さえる。

明日香「うぐっ……」

   はっとする一。

一「おいどうした!? 具合が悪いのか。

 車酔いにでもなったか? 車停めるか」

   明日香、片手を一の方へ伸ばす。

明日香「いや……違くてね……お腹が」

一「何だ」

   ゆっくりと顔を一の方へ向け、苦笑い

   する明日香。

明日香「朝から何も食べれてなくてさ」

   一拍置いて息を吐く一。

一「腹減ったんだな」


〇サービスエリア・レストラン・中

   明日香、両手を膝の上に置き、恥ずか

   しそうに俯いている。

   明日香から目を逸らし、足と両手を組

   んで座っている一。

   赤ちゃん用の椅子に座っている二三香。

   一、メニュー表をテーブル脇から取り

   出すと、明日香の前に置く。

一「好きなの選べ」

   顔を上げ、照れくさそうにする明日香。

明日香「男の人に奢ってもらうの初めてだか

 ら、緊張しちゃうな」

一「変な言い方するんじゃねえ。端から見た

 ら俺たち親子にしか見えねえぞ」

明日香「あたしは一さんの長女で、二三香ち

 ゃんのお姉ちゃんってこと?」

一「ああ」

   吹き出す明日香。

明日香「(笑いを押えながら)へへ。だね。さ

 っき会ったばっかなのにさ」

   少し驚いた顔をする一。

明日香「二三香ちゃんはいいの?」

   起きている二三香。

   一、二三香に視線を移す。

一「ああ、こいつはお前と会う前にミルクや

 ったからな」

明日香「(茶化すように)イクメンじゃん」

   眉をしかめて瞳を閉じ、水を飲む一。

   明日香、テーブルの上でメニュー表を

   広げる。

明日香「じゃあこれ」

   明日香、アイスコーヒーの写真を指さ

   す。

明日香「ブラックで飲もうかな」

   苦虫を噛み潰したような顔をする一。

一「ガキが見栄張ってんじゃねえよ」

   一、メニュー表を明日香から奪い、デ

   ザートのページを広げる。

一「ソフトクリームにしろ。北海道のソフト

 クリームは東京と比べもんにならないくら

 い美味えぞ」

   足と背筋を伸ばし、嫌な顔をする明日

   香。

明日香「やだ。今甘いもの食べたら車酔いし

 て吐く」

   短く息を吐く一。

一「しゃあねえな」

   一、顔だけ後ろに向ける。

一「すみません」

   店員、やってくる。

一「アイスコーヒーとソフトクリーム一つず

 つ」

店員「かしこまりました」

   店員、メモを取り、去って行く。

   口を開け、唖然とする明日香。

明日香「ソフトクリームいらないっていった

 じゃん!」

   一、明日香に向き直る。

一「オレが食べるんだよ」

   目を細めて笑う明日香。

明日香「へー一さん。強面に見えて実は甘党

 とか可愛いね」

一「うるせえな、ほんとに」

   店員、ソフトクリームとアイスコ―ヒ

   ーをテーブルに置く。

一「ありがとう」

   店員、去る。

   一、スプーンを取り、ソフトクリーム

   を食べ始めようとする。

   明日香、渋い顔をしながらアイスコー

   ヒーを一気に飲もうとし、むせる。

一「馬鹿」

   コップから唇を離し、眉を寄せながら

   羨ましそうに一のソフトクリームをじ

   っと見つめる明日香。

   気付く一。

   一、スプーンでソフトクリームを掬っ

   て明日香の口元へ差し出す。

一「ほら」

   茫然とスプーンを見つめる明日香。

一「食えよ」

明日香「(小声で)あ、ありがとう……」

   一の差し出したスプーンをそのままの

   状態で唇に挟み、食べる明日香。

   ゆっくりと明日香の口から離されるス

   プーン。

   照れて俯く明日香。

明日香「(小声で)……ご馳走様でした」

   一、何食わぬ顔でスプーンを自分の元

   へ戻す。

一「残りはいらねえのか」

   明日香、俯いたまま首を振る。

一「じゃあオレが食う」

   一、ソフトクリームを食べ始める。

   テーブルの下で重ねられる明日香の

   両手。


〇道路(昼)

   走っている一の車。

   

〇一の車・中

   一、黙って車を運転している。

   チャイルドシートに座らされて眠って

   いる二三香。

   明日香、気怠そうな顔で後部座席の窓

   にもたれて外の景色を見ている。

   流れていく景色。

   明日香の瞳に緑と青空が映っている。

一「お前さ」

   明日香、体勢はそのままで視線だけ一

   の方へ向ける。

明日香「ん?」

一「何で高校辞めたんだ」

明日香「それ、聞いちゃいますか」

   顔を一の方へ向け、作り笑いする明日

   香。

一「……すまん。言いたくねえなら言わなく

 ていい」

   明日香、体勢を完全に戻し、膝に両手

   を置き、前屈みになる。

明日香「おじさんってさ。変なところで距離

 詰めてきたり、かと思えば遠慮してきたり

 何なの? 人との距離感わかってないよ

 ね」

   眉をしかめる一。

一「は?」

   顔を横に向ける明日香。

明日香「(小声で)さっきのとかほんと気を付

 けた方がいいよ」

一「事情も言わねえでタダ乗りして楽してや

 がる小娘はどこの誰だ」

   勢い良く顔を前に戻し、鋭い目つきで

   一を睨む明日香。

明日香「何? 乗せてくれたのはそっちじゃ

 ない! そんなこと言うんだったら一さん

 が声かけなきゃよかったんだよ! 無視し

 て通り過ぎれば嫌な思いせずに二三香ちゃ

 んとドライブ出来てたでしょ!」

一「(大きなため息)はー……」

   一、瞳を強く閉じ、前屈みになると

   瞳を開く。

一「(小声で)めんどくせえ……。二三香も

 成長したらこんな歯向かうようになんの

 か」

明日香「何だよもう!」

   リュックサックを背負う明日香。

   気付いて顔を上げる一。

一「おいてめえ何してやがる」

明日香「次のサービスエリアで降ろして!」

一「(後ろを向き)はあ!?」


〇サービスエリア・駐車場(昼)

   急停車する一の車。

   後部座席が勢いよく開く。

   明日香、素早く降りる。

   運転席のドアを睨む明日香。

   ゆっくりと開く運転席のドア。

   一、瞳を閉じて疲れた様子でゆっくり

   と降りる。運転席のドアを閉める。

   後部座席に回り、二三香を抱きかかえ、

   後部座席のドアを閉める。

   頭を掻く一。

   一と一定の距離を置きながら仁王立ち

   する明日香。

一「まったく拾った子犬に振り回されっぱな

 しだな」

明日香「誰が子犬だって!?」

一「キャンキャンうるせえところがだよ!」

   遠巻きに2人を訝し気に見ている客た

   ち。

   辺りの様子を見まわし舌打ちする一。

一「おい、公共の場で大声出すんじゃねえ。

 オレが誘拐犯と勘違いされるだろうが」

明日香「いいよ! だって一さんとはここで

 お別れだもんね!」

一「ここでってお前これからどうする気だ」

明日香「またここでヒッチハイクして誰かに

 宗谷岬まで送ってもらう」

一「んなもの好きそうそういねえだろ。さっ

 きもかなり苦戦してたんだろうが。オレが

 拾ってやるまで」

   はっとする明日香。

   俯いて唇を噛みしめる。

   背負ったリュックサックのショルダー

   を強く掴む。

   涙をこらえる。

明日香「一さんにはわかんないよ……」

   明日香、一に背を向け、自動販売機の

   方へ走っていく。

   一、じっと明日香の背を見つめていた

   が、動き出し、徐々に速度を上げて追

   いかける。

   明日香、自動販売機の前で俯いて立つ。

   一、明日香の背後に立つ。

   明日香の顔の横から一の腕が伸びる。

   はっとして歪んだ顔を上げる明日香。

一「……何が飲みたい」

明日香「おごってくれるの」

一「ああ」

   震える明日香の肩。

明日香「……オレンジジュースお願いします

 ……」

   一、自動販売機にお金を入れ、オレン

   ジジュースのボタンを押す。

   取り出し口に落ちるオレンジジュース

   の缶。

   一、屈んで缶を取り出し、下から明日

   香を見上げる形で手渡す。

一「おら」

   明日香、受け取る。

明日香「……ありがとう……」

   明日香を見つめた後、視線を逸らす一。

一「お前が理由を言いたくねえなら別にオレ

 は何も聞かねえ。そのまま何も聞かないま

 ま、お前を最北まで運んでやる。……無理や

 り心の傷を開くような真似はしたくねえか

 らな」

   徐々に瞠目し、時が止まったように一

   を見つめる明日香。

一「だがお前がお前のことを自然に喋りたく

 なって、喋ってくれたら、オレはすべて受

 け止める」

   完全に顔を上げ、一を見る明日香。

   一の背後から陽光が差し、逆光となる。

   俯き、手が震えだす明日香。

   口をもごもごと動かし、唇を噛むと

   更に俯く。

   短く息を吸う。

明日香「(息を吐くのと同時に)……あたし、

 いじめられて」

   黙って明日香を見ている一。

   明日香、握った左手を右手で擦る。

   虚ろな目の明日香。

明日香「信頼してた友達に裏切られました。

 ツイッターで友達の裏アカ見つけちゃって。

 悪口沢山書かれてて、他の友達と笑いのネ

 タにされてた」

   明日香の瞳から瞬きもせずに涙が零れ

   る。

明日香「LINEも私だけが入れられてない

 LINEグループがあったことがわかって、

 その中で私の隠し撮り写真を晒されたり、

 盛り上がってたみたい」

   ☓   ☓   ☓

   教室に制服姿で座る明日香。

   スマホを虚ろな眼で見ている。

   ツイッターのアカウントに「表向き

   だけ仲良くされて本気になんなよ」

   「あいつに毎日仮面被って接するのだ

   りいわ」「早く死なねーかな」等の明日

   香への悪口が書かれている。

   笑顔で近付いてくる明日香の友人。

   ぱっとスマホを手元に戻し、友人に

   笑顔を向ける明日香。

   机の下で震えるスマホを握った手。

   ☓   ☓   ☓

   明日香を見つめ続ける一。

明日香「それがわかってから、学校行っても

 笑顔で話しかけられても、誰も信じられな

 くなってしまって……。人間不信っていう 

 のかな。家に帰っても何をしててもどこか

 で誰かが私の悪口言ってるんじゃないかっ

 て不安になって。食べたもの全部吐いたり、

 眠れなくなって。次第に不登校になって」

一「……そんな状態で一人で北海道まで来た

 のか」

   瞬きし、頬に涙を流す明日香。  

   少し微笑む。

明日香「あたしこう見えて結構読書家なんだ

 よ。似合わないと思うけどさ。前に好きだ

 った小説でさ。主人公が自分探しをするた

 めに日本の最北まで行って人生変えるって

 ところを思い出して。あたしもやってみよ

 うと思って」

一「……そうか」

明日香「このまま東京いて引きこもってても、

 どんどんダメになっていく。どんどん暗い

 気持ちを引きずったまま生きていくことに

 なると思って、飛び出してきちゃった」

   一、立ち上がる。

   顔を上げ、歪んだ表情になる明日香。

明日香「でもね。北海道に来てもずっと不安

 だ。何してても不安になった。高校辞めて

 自由になったはずなのに。自由ってこんな

 に不安なんだね。足元がおぼつかないって

 いうのかな。周りに何にも無くて、不安定

 でぐらついた石の上で、その下に広がる黒

 い池に落ちないようにしてる感じ。どこに

 も所属してないってすごいことだもんね。

 子供の頃は学校。大人になったら会社に入

 ってずっと他の人と一緒に生きていくのに、

 一人で立ってるの、すごく怖いよ。この先

 あたしどうなっちゃうんだろうってずっと

 不安なんだ。おかしくなりそうだよ」

   明日香、自分の胸を掴む。

   明日香を見つめていた視線を腕の中に

   いる二三香に向ける一。

一「……オレの嫁・さつきは四か月前に二三

 香を産んだ時に脳卒中になって、そのまま

 状態が悪化して死んだ」

   はっと顔を上げ、一を見る明日香。

一「オレはショックで精神を病んだ。ずっと

 一緒に生きていく、産んでくれた娘と3人

 で生きていけると思ってた相手が、急にい

 なくなっちまったんだから、おかしくもな

 るよな。二三香は可愛い。命より大切な娘

 だ。だが……、だがさつきは死んじまった。

 心にどう整理を付ければいいのかわからな

 かった。会社の仕事と二三香の世話に追わ

 れながら、さつきの事を思い出しては泣い

 た。何日も眠れない状態が続いて、飯も食

 えねえ。上司に医者にかかることを勧めら

 れた。……診断結果は『抑うつ状態により、

 二か月間の休職を要する』といったものだ

 った。オレは診断書を上司に提出し、今は

 会社を休職してる」

明日香「一さん……」

   真剣な顔で明日香に視線を移す一。

一「明日香、オレもその時先が見えなくて不

 安で仕方なかった。お前と受けた傷の形は

 違うがな。二三香を向こうの親に預けてか

 ら自殺しようかと馬鹿なことも考えちまっ

 ていた。……だが、主治医に言われたことを

 実践して、少し自分の心の不安と向き合う

 ことが出来て回復した」

明日香「主治医に言われたこと?」

一「教えてやる」

   一、一歩明日香との距離を詰める。

   明日香、少したじろぐ。

明日香「一さ……」

一「頭の中に、5歳の時のお前の姿を思い浮

 かべてみろ」

明日香「5歳の時のあたし……?」

一「ああ。それで、そいつに向かって『明日

 香、もう大丈夫だ』って声をかけてやれ」

明日香「あたしが……あたしに」

一「明日香、目を閉じろ」

   震えながらゆっくりと目を閉じる明日

   香。


〇明日香の想像の世界

   周囲が黄色い光に包まれている。

   背を向けて体育座りをしている明日香

   (5)。

   茫然と明日香(5)を見つめている明

   日香。

   明日香、躊躇いつつゆっくりと明日香

   (5)に近付く。

明日香「明日香……。ごめんね。あたしはあ

 なたに幸せで安定した未来を与えてあげら

 れなかった。行きつく先が、このあたしみ

 たいなどうしようもない未来だったとして

 も、この先も生きていきたいと思う?」

   更に明日香(5)に近付く明日香。

   はっとした顔で立ち上がり、明日香を

   見つめる明日香(5)。

   明日香、明日香(5)の傍に片膝をつ

   く。

   眉を歪めて躊躇いながら明日香(5)

   の背に腕を伸ばす。

明日香「明日香、もう大丈夫だよ。もう大丈

 夫なんだよ」

   明日香、明日香(5)をゆっくりと抱

   きしめる。

   目を閉じる明日香。

   瞠目している明日香(5)。

明日香「もう大丈夫だ。もう」

   明日香の閉じた目から涙が溢れる。

   明日香(5)、ふっと体の力を抜く。

   ゆっくりと明日香の背に手を伸ばし、

   抱きしめる。

   目を閉じる明日香(5)。

   明日香(5)の閉じた目から涙が流れ

   る。

   抱きしめ合う2人が白い光に包まれる。


〇サービスエリア・駐車場(昼)

   自分の体を強く抱きしめ、俯いて目を

   閉じ、号泣している明日香。

   微笑んで明日香を見つめている一。

一「明日香、お前と会えたか?」

明日香「(泣きながら)はい」

   一、明日香の肩に片手を置く。

一「オレは今40で、男の平均寿命から考え

 るとあと40年生きられるかってところだ

 が」

   二三香を見る一。

一「残りの人生はこいつの為に生きる。過去

 に戻ることは出来ねえが、振り返ることは

 出来る。休職中に自分が若い時に走ってた

 道を走り直してみて気付いた。そんで、そ

 の道の先で出会ってくれた嫁と生まれてく 

 れた二三香の為に生き直そうと思えた」

   明日香、泣きぬれた顔でぼうっと一を

   見ている。

   明日香に笑顔を向ける一。

一「お前の人生は健康に過ごしてりゃこの先

 何十年と続いていくだろうが。諦めんなよ」

明日香「一さん、あたし」

   手の甲で涙を拭う明日香。

明日香「なんかよく言葉で説明できないんだ

 けど、この先どうなるのか、全然わかんな

 いんだけど……。これからも生きてていい

 のかなって思えたよ……」

   一、明日香の肩に置いた手を彼女の頭

   の上に置き、少し乱暴に撫でる。

明日香「……オレンジジュースはさ」

   一、明日香の頭から手をどける。

一「あ?」

   笑顔で顔を上げる明日香。

明日香「オレンジジュースは車の中で飲むね」


〇一の車・中

   明日香、暮れかけてきた景色を見つめ

   ている。

   明日香の隣で眠っている二三香。

   窓から二三香に目を移すと、愛おしそ

   うに見つめる明日香。

明日香「(二三香を見ながら)一さん。さっき

 初めてあたしのこと名前で呼んだね」

   一、運転しながら前を見ている。

一「そうだっけか。覚えてねえな」

   一に視線を移す明日香。

明日香「ふふ。素直じゃないんだから」

   一、ステレオに手を伸ばす。

   ステレオからstingの「Engr

   iSh Man In New Yo

   rk」が流れ出す。

   驚いて体勢を整える明日香。

明日香「あっ……音楽! 音楽かけんの好き

 じゃないって言ってたのに! ねえ、この

 曲何?」

   微笑む一。

一「stingの『English Man 

 In New York』」

明日香「へー、初めて聞いた」

一「『レオン』って映画で主題歌『Shape 

 of heart』歌ったバンドだよ」

明日香「英語も洋楽も詳しくないから歌詞の

 意味がよくわかんないや。なんていう感じ

 の歌なの?」

一「タイトルは直訳するとニューヨークにい

 る英国人って意味だ。異世界に、合法的に

 存在する自分を肯定する曲」

明日香「(興味深そうに)へー」

一「さつきが一番好きだった曲だ」

   はっとする明日香。

一「あいつは北海道の人間じゃなかった。東

 京からオレと一緒に生きる為にこっちに来

 てくれた。親しい友人もいない北国での生

 活で、心の支えになるって言ってた曲だ。

 お前に聞かせるためにつけた」

明日香「……」

   半ば瞳を閉じて曲に聞き入る明日香。

明日香「確かに染みるな……。切なくてカッ

 コよくて良い曲だね。エモいって感じ」

一「エモいってなんだよ。若者言葉使うな」

明日香「エモいってね。感情が動くって意味

 らしいよ」

一「へー……」

   何かを決意した表情になる明日香。

   明日香、ポケットからスマホを取り出 

   す。

   しばらく手の中のスマホを見つめる。

   顔を上げる明日香。

明日香「一さん。窓開けるね」

一「え? ああ」

   明日香、窓に顔を近づける。

   手にしていたスマホを窓からふわりと

   放り投げる。

明日香「さよなら」

   驚き、一瞬後ろを振り返る一。

一「明日香!?」

   笑顔で体勢を元に戻す明日香。

明日香「すっきりした」

一「お前……スマホ捨てちまったのか」

明日香「こんなのに惑わされて、傷つけられ

 て、時間奪われて、学校辞めて。なんだか

 馬鹿らしくなってきちゃった。いらないや。

 こんなのって思っちゃった。いいんです。

 もう」

一「そうか……」

   皮肉な笑みを浮かべる一。

一「確かにオレら現代人はスマホにとらわれ

 過ぎてるからな。いいんじゃねえか。お前

 がそれでいいなら。後の心配なんかせずに

 感情に任せちまえよ」

明日香「うん。新しい自分に、生まれ変わり

 たい。ゼロになりたい。何も持たずに」

   微笑み、瞳を閉じて音楽を全身で感じ

   るように聞く明日香。

   一、運転席の収納ボックスからポスト

   カードを取り出し、腕だけを背後に回

   す。

   茫然とする明日香。

一「この絵をお前にやる」

明日香「絵……?」

   明日香、一の手からポストカードを受

   け取る。

   裏面のポストカードを表にする。

   ポストカードには、椅子に座った癖毛

   の金髪の幼い少女が白いマグカップに

   一輪の植物を差そうとしている絵が描

   かれている。

一「フィンランドの女性画家、ヘレン・シャ

 ルフベックの『快復期』」

明日香「(ポストカード見つめ)快復期……」

一「病気から快復する兆しを見せる少女を描

 いた絵だ。ヘレン自身が恋に破れて病んで

 た時に想いを込めて描いたと言われている。

 前に北欧美術展が美術館でやってた時に見

 て、その絵の前で涙が止まらなくなった」

   瞳を揺らし、じっとポストカードを見

   つめ続ける明日香。

一「……この先ずっと抱えていく傷がオレ達

 の心の中には確かにある。だが、人間は快

 復していくことが出来る。前に進むことが

 出来る……。オレもお前と一緒に最北に辿

 り着けば、何か変わるかもしれないと思っ

 てる。お前も自分の過去と今を見つめて、

 本当にやりたいことをゆっくり考えてみ

 てくれ」

   瞬きせずに明日香の瞳から涙が零れる。


〇道路(夕)

   走り続ける一の車。

   見えてくる宗谷岬公園の風景。


〇一の車・中

   北海道の海を映す車の窓。

   海は橙色の夕陽を水面に映し、煌めき

   を起こしている。

   明日香の瞳に海が映る。


〇宗谷岬公園・前

   ゆっくりと停車する一の車。


〇一の車・中

   一、ハンドルから手を離し、後ろを

   見る。

一「着いたぞ。日本の最北、宗谷岬」

   明日香、窓の外に目を向ける。

明日香「……うん」

   後部座席のドアが自動で開く。

   一の方を向く明日香。

明日香「一さん、ありがとう。夕陽が落ちる

 のを見てから帰りたいから、しばらくここ

 にいる」

一「帰りはどうすんだ」

   笑顔になる明日香。

明日香「帰りは大丈夫。稚内に宿取ってある

 し、またヒッチハイクでもして帰るからさ」

一「そうか……。じゃあ、男だけの車選ぶな

 よ。運転手が女か、必ず助手席か後部座席

 に女が座ってる車選べ」

明日香「(笑って)あなたがそれ言う?」

一「うるせえ。結果ここまで来れたのは誰の

 おかげだ」

   ひとしきり笑い合ってから沈黙する2

   人。

一「ここでお別れだな」

明日香「うん……。一さん。本当にありがと

 うございました……!」

   一を見つめながら少し眉を歪ませて微

   笑む明日香。

一「じゃあまた……」

   明日香から視線を逸らし、再び明日香

   に視線を戻す一。

一「またはないかもしれねえな」

   瞠目する明日香。

明日香「何で?」

一「17歳の小娘と40の男が連絡先なんか

 交換しちゃダメだろ。それ以前にお前スマ

 ホ捨ててるし。住所と電話番号なんか聞け

 ねえよ」

明日香「そんな……一さんならいいのに!」

一「いやダメだ。……ここでお別れだ」

   明日香、俯き、しばらくじっとすると

   顔を上げる。

   笑顔を作ろうとするが、口を開けると

   涙が溢れ、顔を歪ませる明日香。

明日香「一さんに会えてよかった。一期一会

 でも、一さんに会えたこと。一緒に最北ま

 で送ってもらったこと、一生忘れないよ」

   微笑む一。

一「なんつってまたどこかでばったり会えた

 ら爆笑しちまうな」

明日香「(笑って)だね」

   真面目な顔になる一。

   明日香、気付いたようにポケットをま

   さぐり、陶器で出来た青い鳥の置物を

   取り出す。

   両手に乗せ、笑顔で一に差し出す明日

   香。

明日香「あたしもこれ、あげる」

   明日香の手の上の青い鳥の置物を見つ

   める一。

一「(笑顔で)幸せの青い鳥かよ」

   唇を尖らせる明日香。

明日香「笑うことないじゃん」

一「ベタな置物持ってんな」

明日香「北海道来る前に東京の雑貨屋でみか

 けて買ってみたんだ。お守り代わりに持っ

 てきてたんだけど、一さんと話して、ドラ

 イブしてたらもうあたしには必要ないよう

 な気がしてきて。ポストカードのお返しに」

一「……ありがとうよ」

   一、両手で包み込むように置物を受け

   取る。

   じっと見つめた後、運転席の前に置く。

一「ここに飾っとくわ」

明日香「お、ぴったりじゃん」

   明日香、指を鳴らす。

   笑顔だったが、切ない顔になる明日香。

明日香「……じゃあ、もう行かなきゃ」

   明日香、座席から外へ出ようとする。

   はっとする明日香。

   後ろを見る。

   明日香の腕を引っ張るように掴んで、

   明日香を見つめている二三香。

明日香「(驚いて)二三香ちゃん?」

   くすりと笑みを零す一。

一「二三香も明日香頑張れって応援してくれ

 てるみてえだな」

   一を見た後に、ゆっくりと笑顔になり、

   二三香を見つめる明日香。

明日香「二三香ちゃん。ありがとう。あたし

 頑張るよ。二三香ちゃんも頑張ってね。遠

 くからあたしもずっと応援してる」

   明日香、握られていない左手の甲で涙

   を拭うと、再び二三香を見る。

   二三香、ぱっと手を離す。

   明日香、真剣な顔で二三香を見つめて

   いたが、意を決したように車外へと降

   り立つ。


〇宗谷岬公園・前

   明日香、一の車の後部座席のドアを音

   を立てないようにゆっくりと閉める。

   胸に手を当て、後ろを振り返る。

   運転席の窓から顔を出し、笑顔で明日

   香を見つめる一。

   口を少し開けて一を見つめる明日香。

明日香「一さん。あたし決めた! あたし、

 高卒認定受けることにする! そんで高卒

 資格取って、大学行って、北海道で就職す

 る道探すよ。狭き門かもだけど、美術館か

 博物館の学芸員目指す」

一「ほう。いいじゃねえか」

明日香「そんで、あたしが有名学芸員になっ

 て、雑誌やテレビに出たら、それ見て一さ

 んがあたしの館まで会いに来てよ」

   目を細める一。

一「言うねえ。何年かかるんだか」

   明日香、胸を張る。

明日香「絶対なって見せますからぁ」

一「……頑張れよ。ずっと遠くで応援してっ

 からよ」

   一、運転席から顔を引っ込める。

   徐々に閉まっていく運転席の窓。

明日香「一さん……」

   じっと窓を見つめ続ける明日香。

   辺りは白い星の瞬きが浮かび始めてい

   る。

   窓越しに明日香を見る一。

一「(声を発さず口だけ動かし)明日香、あり

 がとな」

   瞠目する明日香。

   明日香、震える体を抱きしめる。

   体をくの字に折り曲げて深く頭を下げ

   る。

   しばらく明日香を見つめ、車を発車さ

   せる一。

   ゆっくり去って行く一の車。

   

〇一の車・中

   微笑みながら車を運転している一。

   後部座席で楽しそうにしている二三香。

一「ったく。連絡先くらい聞いとけばよかっ 

 たな。変なとこ、大人だなオレも。なあ二

 三香?」

   一、鼻歌でstingの「Engli

   sh Man In NewYor

   k」を歌う。


〇宗谷岬公園・前

   明日香、車の影が見えなくなると、頭

   を上げる。決意の表情で最北の地の礎

   に向かい歩き出す。


〇宗谷岬公園・中

    明日香、最北の地の礎の前に立つ。

明日香「ここが日本の最北……。一さんのお

 かげで辿り着けた。東京の小さな部屋の中

 で引きこもってたあたしから想像できない

 くらい遠くまで、広いところまで来てしま

 った。来れてしまった……」

   辺りをゆっくりと見回す明日香。

   夕陽が落ちかけ、赤く染まっている海。

明日香「ここから新しくあたしは始まるんだ。

 始めるんだ」

   風が吹き、明日香の髪がなびく。

   瞳を閉じる明日香。

   ゆっくり瞳を開ける。

   隣を見てはっとする。

   明日香の隣に立っている制服姿の過去

   の明日香。不安そうな顔で海を見てい

   る。

明日香「あなたは……少し前のあたし……」

   過去の明日香、明日香に顔を向ける。

   驚いていたが、真剣な顔になり過去の

   明日香の手を握る明日香。

   不安そうに明日香を見ている過去の明

   日香。

   繋がれた2人の手。

明日香「叫ぼうよ。思いっきりさ」

   笑顔の明日香。

   明日香、海の方へ目を向ける。

   片手を口元に当てる。

明日香「あたしはここにいるぞー!!」

   大きく息を吸う。

明日香「あたしはここにいる! また立ち上

 がれた! だから、だからもう大丈夫だ!」

   明日香、叫びながら涙を流す。

   手の甲で涙を拭う。

   隣を見ると、過去の明日香が消えてい

   る。

明日香「あたし……もう大丈夫だよ」

   明日香、再び海へ顔を向ける。

   顔に夕陽が当たり、輪郭が金色に輝く

   明日香。

   目を細めて微笑む。


〇空

T「二か月後」


〇駅・ホーム(昼)

T「東京」

   ホームに立って電車を見つめている明

   日香。

   止まる電車。

   電車の扉が開く。

   じっと電車を見つめ続ける明日香。

   電車に乗り降りする乗客たち。

   明日香、息を吐き、息を吸い込むと真

   剣な顔で電車のドアを跨ぐ。

   電車に乗り込む。

   目を閉じ、胸に手を当てる。

   ゆっくりと目を開けると窓から外を見

   る。

   窓から差す光が明日香の顔を照らす。

   瞳を眇め、微笑む明日香。

   明日香、ポケットからウォークマンを

   取り出す。

   ウォークマンにイヤホンを繋ぎ、両耳

   に差し込む。

   ウォークマンにstingの「Eng

   lish Man In NewYo

   rk」が表示される。

   再生ボタンを押す。

   目を閉じて音楽に聞き入る明日香。

   目を開ける。

   ウォークマンをポケットにしまう。

   カバンの中から「高卒認定ワークブッ

   ク 英語」と書かれた本を一冊取り出

   し、開く。

明日香「(小声で)一さん。あたし頑張るよ。

 ……英語は苦手なんだけどさ」

   微笑みながら文字を追っていく明日香。

   窓の外に緑が流れ、太陽が眩しく光っ

   ている。


〇一の家・中

T「北海道」

   瞳を閉じて仏壇の前で手を合わせてい

   る一。

   目を開ける。

   さつきの遺影。

一「お前がいなくなってから、ようやくオレ

 も前に進めるようになってきた。二三香と

 2人で生きてみるよ」

   笑顔になる一。

一「おもしれえやつにも会えたしな」

   一、ポケットから青い鳥の置物を取り

   出し、さつきの遺影の前にゆっくり置

   く。

一「幸せの青い鳥だってよ。ベタだよな。昔

 はこういうの嫌いだったんだけどさ。今は

 こういうのすげえ好きだわ」

   はにかむ一。

二三香の声「(泣き声)」

   一、後ろを振り返る。

一「ああっとミルクの時間か? 待ってろよ」

   一、立ち上がり、仏壇の前から去って

   行く。

   さつきの遺影と隣に置かれた青い鳥の

   置物。

   窓から差す光がその2つを照らす。


〇駅・前(昼)

   人がまばらにいる雑踏。

   明日香、背筋を伸ばし、前を向いて

   歩いている。

   耳にはイヤホンを付けている。

   真顔だったが、徐々に口元に笑みを

   宿す明日香。

   明日香、立ち止まり、ポケットから

   ポストカードを取り出す。

   ヘレン・シャルフベックの「快復期」

   が描かれている。

   じっと見つめていたが、空に翳す。

明日香の心の声「へへ。一さん元気かな。あ

 たしもここで頑張るよ。いつかあなたに会

 える日まで、ずっと歩き続けるよ。同じ空

 の下にいるんだもんね」

   明日香、ポストカードをポケットにし

   まう。

   片手を耳元に当て、瞳を閉じる。

   片手を下ろし、瞳を開く。

   前を向いて歩き出していく。

   鼻歌でstingの「English 

   Man In NewYork」を歌

   い始める。

                 (終)    


〈参考文献〉

『ヘレン・シャルフベック 魂のまなざし』(佐藤直樹、2015ー06ー08)

『高卒認定ワークブック改訂版 英語』(J・出版編集部、2008―06―21)


   



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少女よ、北へ走れ 木谷日向子 @komobota705

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