012 松茸の精霊

 松茸の土瓶蒸しを作っていた男の前に突如煙が立ち昇る。


 煙は段々形を成していき、小さな精霊が現れた。


『こんにちはー。僕は松茸の精霊だよー』


「えっ、なっ、何これ?」


『僕を選んでくれたお礼に願い事を三つだけかなえてあげるよー』


「うそっ? ……これって、本当?」


『不老不死はもちろん使い切れないほどのお金だってダイジョブ! 世界一綺麗な顔にしてあげることもできるよー』


「……それにしても何しゃべってるんだろう?」


『あー、また通じないかー。残念っ!』


 そう言うと中国産松茸の精霊は豊かな香りと共に消えていった。

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街の噂~表通り編~ 丸尾坂下 @tetujo

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